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尾崎塾
富田教室

[2013年1月21日]

センター地学2013の解説(第4問)

【第4問】
問1
アは偏西風のこと。偏西風は蛇行している。イは潜熱の話。水蒸気が凝結(気体から液体になる)ときに潜んでいた熱=潜熱が大気に放出される。
本問のテーマは重要。すなわち,温帯低気圧は偏西風波動の北部の寒気が南部の暖気の下に潜り込む,位置エネルギーの解法がエネルギー源。一方,熱帯低気圧は水蒸気を多量に含む大気の潜熱がエネルギー源になっている。

問2
北半球で温帯低気圧の南西側に伸びる前線は寒冷前線。したがって前線Aは寒冷前線。東〜南東に伸びる前線は温暖前線。温暖前線は勾配がゆるやかであり,乱層雲が雨を降らせる。空気Cは温暖前線の北東側なので寒気である。

問3
?×:台風の眼のまわりには発達した積乱雲が観測される。
?×:台風の目のなかは下降気流になっていて,晴れている。
?○:台風の上層は下層とは逆に時計まわりに風が吹き出している。
?×:台風の下層では反時計回りに風が吹き込んでいる。

問4
これは物理の問題。気圧=圧力=力÷面積=大気の重さ÷面積
大気の重さが少ないと気圧も小さくなる。上層へ行くほど,その場所より上にのっかっている大気が少ないから上空の気圧が低いのである。

問5
海洋の塩類組成は場所や深さで変わらない。ただし,濃度は場所や深さで変化する。降水量が多い赤道では,降水(真水)で海水が薄められるので塩分は低くなる。また極域で海水が凍ると,塩分の低い水が氷となって除去されるから相対的に周囲の海水の塩分は増加する。

問6
?×:たとえば台風が発生するのに必要な海水温は28℃と言われているように,赤道付近の海水面温度は25℃以上である。一方,北緯50℃にもなると海洋表層の水温は10℃以下になっている。その差は20℃くらいある。
しかし,深層の水温は赤道でも2〜3℃,北緯50℃でも1〜2℃というように,数℃も違わない。
?○:これは有名な話。
img1 ?×:エルニーニョは貿易風が弱まって深層からの湧昇が抑えられるときに生じる。
?×:知らないよね(笑)。まあ,一般的に深層水は水深1500m〜4000mの海水なので,50%以上はある。



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