[2013年4月6日]
ある高校新3年生。
昨日まで理系と言ってたのが,経済学部を目指すという。
で,高校のクラスは当然理系クラスのまま。
この時点で文転?
私立の有名進学校だから,もう少し進路の相談をちゃんとしてあげてるのかと思ったが,そうでもないようだ。
どの学部,学科を目指すのもいいが,その根拠が非常に希薄なのが高校生の進路選択の現状だ。
1年前の進路の手引きにも書いたが,進路選択の誤り方マニュアルというのがあって,たいていそのマニュアルにしたがって間違っている。
マニュアルの内容**********************
数学が苦手なら文系に進みなさい。
国語が苦手なら理系に進みなさい。
就職に有利な資格が欲しいなら薬学部か看護学部に行きなさい。
英語を仕事に使いたいなら外国語学部に行きなさい。
コンピューターを仕事に使いたいなら情報学科に行きなさい。
人と話すのが苦手なら理系に進みなさい。
ダメなら私立に行けばいいので一応国公立大学を目指しなさい。
大学のオープンキャンパスには必ず行っておきなさい。
親に浪人は絶対ダメと言われたら,現役で行けるところにしなさい。
高校の担任や進路の先生のアドバイスをよく聞いて参考にしなさい。
今現在に景気の悪い業種につながる学部はやめておきなさい。
*******************************
これらの他に,我々の時代からずーっとある「とりあえず経済学部にしておく症候群」があって,今回の生徒はコレに近いかもしれない。
先日相談を受けた例は,「国公立医学部症候群」だった。
要するに,医学部でも薬学部でもいいが,医療系を目指す人で,お金がない場合にこの病気にかかる。
お金がない→私立大は無理→国公立大しかない
この単純な思考回路にはまってしまう。
お金がないの前に,学力がないことを直視しないと何も始まらないのだが・・・
とにかく,人生を左右する重要な進路決定に,ひとりよがりの発想で,少ない選択肢からさらに絞ってしまう人が多い。
もっと,他の選択肢があるのにそれが見えていない。
できるだけ,いろんな人の意見を聞いて進路を考えないと,「そういう選択肢もあったのか。」とか,「それならこっちに行っとけばよかった・・・」と後悔することになる。
にほんブログ村
にほんブログ村
写真のお医者さんは高校の先輩で,阪大医学部卒。
他の医者の誤診を見抜いて治してくれたこともある。