[2013年4月26日]
浜松の地すべりの映像をテレビでさかんに放映している。
地面が滑って崩れていく様子は,確かに人の眼を引きつける。
ただそれだけの放送。
テレビ局は,多くの人の眼を引きつければそれでよいと考える。
逆に言うと視聴率しか考えない。
社会的に重要だとか,正義だとか言う以前に,とにかく多くの人が見るかどうかしか考えない。
今回の地すべりは,何が論点なのか皆目わからない報道の仕方をしている。
ちょっと,法律を変えて,災害に関する報道は放送局とは別の機関が選定して,内容も監修できるようにすべきだ。
災害があると,ワイワイと騒ぎ立てるだけで,その後のことを何も考えてない報道が多い。
そうではなく,その災害を機会にして,今後そのような災害に遭う人を減らすような関わり方を積極的にしないとダメだ。
具体的には,今回の浜松の地域は,あらかじめ地すべり被害は想定済なのだ。
今回の地域の防災マップは市のホームページで見ることができる。
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津波の時は想定外,想定外と騒ぎ立てていたくせに,報道する側は何を見ているのだろう。
今回は想定されていたところで想定通りのことが起こっているのであるから,ニュース性は無いとも言える。
ただ,映像が撮れたので「これ使える!」と思っただけだろう。
食いつかないといけないのは,想定されていた所でちゃんと起こっているという点。
つまり,この浜松の地域と同程度に想定されている地域は全国に五万とある。
そういう地域に住んでいる人に,「そんな所に住まずに引っ越した方がいいよー」と教えてあげるような報道をすればいいのだ。
どうも放送の内容を聞いていると逆に思える。
津波の時もそうだが,今まで住んでいたところに愛着があるので,もとの所に早くもどれるように,行政や政治がちゃんとやるべきみたいな論調。
これは典型的な例で,行政などの不備を指摘する(揚げ足をとる)のが仕事だと勘違いしている人がマスコミに多いのだ。
本当に将来の被災者を減らす方法は逆なのだ。
今,危険な地域に住んでいる人は,できるだけ安全な所へ引っ越す。
引っ越せない人は災害に遭う覚悟をしながら生きる。
災害に遭ったら仕方ないから公共の施設でお世話にならないといけない。
政治の側は,そういう人を減らすべく,危険地域の居住を制限していく方向にしていかないといけない。
政治家は,票が集まらないことはしない。
だから,そういう安全な社会をつくる方向の人間に投票することが大切なのだと,小さい頃から学校教育で全国民に教えることも必要。
そういうことは時間がかかるが,そうしないといつまでも災害に遭いやすいところに住んでいる人の被災は減らない。
安全な世の中をつくりましょう。
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