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尾崎塾
富田教室

[2013年5月2日]

教科指導の力と進路指導の力は別モノ

仕事柄,いろんな塾の先生の指導法を見聞きする。
学力を伸ばす先生方の指導は非常に参考になる。
一方で,これだけスゴイ先生なのに・・・と思うこともある。
数値の扱いについて。
偏差値が何かわからずに指導している方が多い。
まあ,学校の先生で偏差値がわかって指導している人も少ないが,塾や予備校でもよくわからずに指導しているようだ。
先日びっくりしたのは,得意科目と不得意科目の得点力についての感覚。

たとえば,あなた(あるいは自分の子供,自分の生徒でもよい)が数学を非常に得意にしていて,国語が非常に苦手だとする。
入試問題で,どちらのタイプが合格しやすいと思うか。

A:数学が非常に難しくて,国語が非常に簡単な場合。
B:数学が非常に簡単で,国語が非常に難しい場合。

統計をとったことはないが,多くの人がAの方が有利と思うようだ。
ある塾の先生自身がそのように信じていた。
よーく考えて欲しい。
Bの方が圧倒的に有利なのだ。
それがわからないかな?

多くの人の考え方はこうだ。
数学が難化すれば,多くの人は20点とか30点だが,自分は60点とか70点取れるのでそこでプラス40点とか50点かせげると。

よーく考えてね。
ホントにそう?
通常の問題なら90点取れるはずの人が難化すると60点とか70点になってしまう。
一方,通常の問題では40点しか取れない人は,難化しても20点くらいは取ったりする。
90点の予定が60点しか取れないとマイナス30点だ。
40点の予定が20点しか取れなくてもマイナス20点だ。
どっちが有利?

不得意科目が易化するのも同じだ。
30点しか取れない予定が50点取れるかもしれない。
なんとなく嬉しい。
一方,70点取れる人は易化したおかげで95点取れるかもしれない。
60点取れる人は易化すると90点取れるかもしれない。
不得意な科目は,易化してもそんなに得点が伸びないのだ。
確かに,90点取れる人は易化して満点になっても10点プラスにしかならないので不利だが,一般的には不得意科目は難化した方が有利。
得意科目は易化した方が有利なのである。

そういう数値感覚のない指導者が世の中に非常に多いと感じる。
特に学校の先生の感覚的な進路指導を鵜呑みにしてはいけない。
全く当てにならないテキトーなことを言ってる場合もある。
でも,それを尤もらしく説明するのは上手。
気になったらぜひウチの塾に相談に来て欲しい。




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