[2013年5月10日]
ご存知でない方が多いのだが,高校の理科でおかしなことがまかり通っている。
今の高校2年生から新教育課程ということで,内容や単位数が一新されている。
それで,この4月から履修する科目の教科書が各教科書会社から発行されている。
それで物理,化学,生物の教科書を購入してみた。
↓
第一印象は,「厚っ」
特に生物は新しい知見が多く入っていて,内容が深くなっている。
iPS細胞とか山中さんの写真入りで載ってるし。
物理も化学も従来の?と?の内容が全部入ってる感じなので厚くはなる。
で,おかしなことに気付く。
地学は?
昔から理科は物化生地と言って,物理と化学と生物と地学の4科目がある。
新学習指導要領にもこれら4科目を軸に記載されており,大学入試センター試験の出題科目にもこれら4科目は名を連ねている。
ところが,今回の2年生が当然履修すべき地学のための教科書が,どの教科書会社からも発行されていないのだ。
そう,一社も作ってない。
だから,高校で地学の授業を実施するのに,教科書なしでやっているわけ。
それってどうよ?
これは全く文部科学省の大失態だと思う。
どうせ一社や二社は地学の教科書作るだろうと勝手に思い込んでいたのではないか。
教科書会社にしてみれば,たしかに地学の履修者は少ないので採算がとりにくい面があると思われる。
だからといって,一社も教科書を発行できない事態は,入試科目として設定されている科目で不都合きわまりないではないか。
ここは,国が補助を出してでも最低二社くらいに教科書を作らせるべきだったのではないだろうか。
第一,環境問題や防災について,重要な内容を含んでいるのだから,国策としてもっと地学教育をバックアップすべきだと思う。
そういうわけで,現場では地学の教科書なしでやっているはず。
教科書がないので,教師の自由裁量で好きな参考書を教科書代わりに使うことになる。
市販のいい参考書があれば,それが相当数売れるはずだ。
受験科目として地学は有望だと思うし。
ちゃんと地学という科目の宣伝をすれば採算も合うと思うが・・・
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