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尾崎塾
富田教室

[2013年5月15日]

天気図を立体的に見る。

今日の駿台の授業から。


天気図は地上の気圧を表したもの?

実は,上空の天気図というのがたくさんあって,気象予報には上空の天気図が欠かせない。

だいたい,中学校で寒気が暖気を押していくのが寒冷前線で,暖気が寒気の上を滑昇していくのが温暖前線と習う。

img1
それはそれでいいのだが,その寒冷前線の寒気はどこから来るの?

西の方ですか?

中国とか?

正解は,西の上の方から来る。

西の方の上空に冷たい空気があって,それが重いので重力によって落ちてくる。

落ちてきたら高気圧になるが,落ちた空気は地面の中にめり込むわけにもいかないので,西の方から東へと押し寄せる。
その先端面が前線面なのだ。

img2

大気を立体的に見て,西の高層に気圧の谷があると,そこに寒気が溜まる。
上空に寒気があると,その東側の地上の低気圧は発達できる。
上空の寒気は重い分,位置エネルギーを持っているからだ。
その位置エネルギーを消費して温帯低気圧は発達する。
流行語になった爆弾低気圧も,西の上層にすごい寒気があって,そのエネルギーを考えたらめーっちゃ発達するとわかる。
見る人が見たら,爆弾をセットしてあって,導火線に火がついているように見えるのだ。
こういう原理をしっかりとわかっていれば,高層天気図の重要性も理解できるというものだ。

実際,センター地学でも,上空の低気圧との関係が出題されたことがあるし,気象学的に重要な内容なので,今後も出題される可能性はあるだろう。
このように,大気を立体的に見る習慣をつけておいて損はない。




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