[2013年6月15日]
全く驚かない。
大阪府立高校の今年の入試で,採点ミスが54校で見つかった。
たまたま開示請求した生徒のミスが見つかって,全部調べたらわかっただけであって,これくらいのミスは毎年あったということだ。
今回の調査では,そのために公立高校不合格になった生徒が2名いて,当然すでに私立高校に通学している。
今さら合格でしたと言われても,高1の内容がはじまっている。
学校によってカリキュラムが違うので,はいそれでは7月から入り直しますなどとはいかない。
運が悪かったとあきらめるしかない。
運だけではなく,1点差で合否ギリギリというのは実力もなかったのだ。
それくらいに考えて,私立高校で精進するべし。
こんなこと書くと,何か非常に冷淡な人間のように思われるかもしれないが,それなら採点ミスをゼロにする方法があるのか?
ないのだから,減らす努力はすればいいが,かと言って,やればやるほど効率が悪い。
厳重なチェック体制で100回くらいチェックするとか,全員分を開示して受験生と保護者,あるいは中学の先生にチェックしてもらうとかやるの?
その膨大な時間を他に使った方がいいと思う。
それに,そんなことすれば膨大なお金もかかる。
誰が支払うのか?
そういうことを考えずに議論するのはバカげている。
それもそうだし,こう書く理由はそこにはない。
そもそも。
そもそもですよ。
採点ミスが全くなかったとしたら公平性が保たれるのか?
そんなことはない。
どこまで行っても,出題者や採点者の気分というものに左右される。
入試問題を作成するときに,どの分野のどの部分をどのように出題するかは出題者という人間の気分で決まる。
さらに,配点もかなりいいかげんだ。
本当に大切なことをよく理解できていたら配点が高い問題で得点できるのか,基礎的な問題でミスなく速く大量に処理できたら得点が高くなるのかは出題のコンセプト次第。
年によってばらつきもある。
採点基準もいいかげんなものだ。
先日,某中学の数学の定期考査で,πのような係数を文字式の前に書かず後ろに書いていたために,計算は正しくできているにもかかわらず100点のうち8点も減点された生徒がいた。
こういうのは出題した先生の気分や信念や思い込みなど,いろんな要素がある。
私なら注意するだけで1点も引かない可能性があるが,それを8点も引くような極端な先生もいるのだ。
入試の採点基準がどうなっているのかわからないが,もしもそのような厳しい採点をしているのなら,普段から厳しく採点されている生徒には有利にはたらく。
逆に,入試では減点されない可能性もある。
その場合,定期考査で減点しまくられて内申点が低くなり,入試当日にせっかくちゃんと書いても報われない。
こういうのを「運」という。
だから,入試の採点で1点や2点違って採点しても,そこへ行くまでの大量の「運」に左右される部分が大きすぎて,ほとんど関係ないのだ。
ボーダーラインの生徒はほとんどクジ引きで合否が決まるのと同じくらい「運」に左右されている。
入試が本質的にそうである点をしっかり見つめて,自分は余裕で合格できる組に入ろうと努力するのがよいのだ。
万一,合否スレスレで受験となっても,運が良ければ合格するのだから,それを楽しみに待てばいい。
ダメなら運が悪かったとあきらめればよい。
人生,そういうものだ。
にほんブログ村
にほんブログ村
それでも公立高校の先生方は採点ミスが少ない人種だと思う。
世間の会社員にやらせたらもっとミスする。
えらそーに書きたてている新聞社の社員にやらせたらもっとミスする。