[2013年6月17日]
でも,本当に試験開始3分で失点して,そのまま不合格になってしまう受験生は相当いると思う。
そこが合否の境界線だ。
開始3分というと,たとえば数学なら基本的な計算問題だったりする。
第1問目でちゃんと答が出ないと,それを利用した2問目でさらにおかしな方向になり,「あれぇ〜,合わないなぁ〜・・・」などと考えているうちに時間が過ぎてしまう。
気付くとその後の問題に十分な時間が残っていないので,焦って普段はしないようなミスを連発して撃沈。
自慢じゃないが,私などはそういう失点が少なかった。
しかし,それは生まれつきではない。
ミスのないように繰り返し繰り返し,何度も何度も,繰り返し,繰り返し,何度も何度も,何度も,繰り返し,さらに何度も繰り返しやって,絶対に,絶対に,絶対にミスが出ないように練習したので失点が少なかったのである。
上記に書いたくらい繰り返し,いやそんなにやらなくてもと思う人がいるかもしれないが,実は上記に書いた分でもまだまだ少ないと思ってやっていたので失点が少なかったのだ。
さらにさらに,これだけやってもミスがでることも想定してある。
ミスった時のために,検算する力も重視した。
常に確認。
これには大局観も必要。
求める量は何か,常に念頭において,この値は前の問題の答よりも増えるべきか減るべきか,減るのならマイナスの値が求まるはずだと考えながら符号に注意しながら解きすすめるとか。
あるいは,新幹線の速度を求めるのに,70という数字が出て時速70キロなどと答えたりしない。つまり,時速70キロなら普通の電車でよいはずで,新幹線の速度を求めさせるのであるから,時速200キロは越えているはずだと見当をつけるような発想も磨いておく。すると,これは70m/sだから時速に換算すべきだと気づき,ちゃんと点数がもらえる。
結局,合否を決めるのは,誰でもできるような簡単な内容の設問で,もらえる点数を全部もらうか,バカみたいに失点するかなのだ。
授業を聞いて,わかったつもりでいても,いざ解くとミス連発というのがほとんどの生徒。
すでにできるはずの問題を繰り返し解いて,ミスのないように体に覚えこませるように身に着けていく。
これが合格するのに最も重要で,それのように確実に得点できることを増やしていくのが受験勉強なのである。
このコンセプトは夏期講習を受講してもらったらよくわかると思う。
基本的に,すでにできることも繰り返しやるためには時間がかかる。
だから,他ではやらないような長時間の講習になる。
中学生には理科や社会の暗記をさせるが,確認テストで満点をとるしか合格にしない。
知っていたら取れる問題は100%取らないといけない。
そこが90%だったら話にならない。
高校生に英単語をやらせるが,何度も聞いて書いてを繰り返してもらう。
たぶん,自分ではそれだけ繰り返さない。
これ覚えてるからもういいなどと思ってしまうから。
今覚えていることと,試験会場でスッと記憶から取り出せるのは次元が違う。
そういったことが入試で合否を分けるから,今のうちにしっかりとベースをつくっておかないといけない。
入試では何が起こるかわからない。
どれだけ準備していても想定外は起こる。
これは実際に私が体験したのでよくわかる。
数学の入試で,第1問目でありえないような問題が出たのだ。
一見すると連立方程式が2通り立式できて,それを解くだけのような基本的な問題。
ところが,2つの式の答が一致しない。
おかしい。
いつも通り,ミスのないように解いたのだが答が一致しない。
おかしい。
一通り見直してもミスは見つからない。
おそらく,多くの受験生はここまでは同じ。
その後の行動で合否が決まったのだと思う。
私は何をしたか。
実は,何もしなかった。
試験時間を浪費するのを避けて次の問題に取りかかった。
不合格になった人は何をしたか。
おそらくパニクッて以後の問題に手を付けられなかった人もいるだろう。
普段必ず取れると思っていた1問目が間違っているのだから。
特に数学が得意な人ほど焦ったはず。
あるいは,もう一度解き直した人もいるだろう。
でも,これは実際同じ結果になる。
同じ答案を2回書いただけ。
時間を浪費しただけ。
これをやると後の問題を解く時間がなくなって撃沈。
でも,一番やってはいけないことをした人が,いっぱいいたと思う。
これは普段指導していても非常に多いから。
それは何だと思う?
せっかく書いた答案を消しゴムで消したのだ。
もったいない・・・
ミスしたと思って消したのだ。
私は何をしたと書いた?
何もしなかった。
つまり,消さずにそのまま次の問題にとりかかった。
だって,ミスしてないもん。
採点の状況はわからないが,ミスせずに書いた部分には点数をくれたはず。
もらえる点数を全部もらうのが合格するための鉄則。
それをしたから合格しただけで,本来の数学力が同じかむしろ上だったのに不合格になった人は,数学の力が不足していたのではなく,合格する力が不足していたのだ。
その設問,実は「解なし」が正解だった。
答が合わなくて当然。
計算はミスしていない。
せっかく書いた答案を消すという痛恨のミスが合否を分けたのである。
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