[2013年6月25日]
ウィンブルドンがはじまった。
テニスをやったことない人もこの大会の名前くらいは聞いたことあるだろう。
一見するとただボールを打ち返しているだけのように見えるかもしれない。
だが,実際にテニスをやったことある人ならわかるだろうが,考えられないようなプレーの連続なのだ。
しかし,その彼らも小さい頃にテニスをはじめたわけで,最初から何でもできたわけではない。
そこには優れたコーチの存在があったはずである。
テニスの練習は単純で,来た球を思ったところへ打ち返す。
それだけといえばそれだけ。
高槻には,全日本のジュニアチャンピオンを輩出するようなクラブがあるが,そのクラブは何も特に優秀な選手ばかり集めてやっているわけではない。
年齢もバラバラでレベルもさまざまな選手を,男女も混ぜて同じ練習をさせている。
これってどこかに似ているような・・・・
そう,これはある意味,ウチの塾の指導と同じだ。
実際,テニスのコーチをやっているのと同じように勉強も指導できるのだ。
初心者から全国レベルの選手まで,同じ練習といっても,コーチが選手に与える課題が違っているのである。
テニスでは,コーチがボールをラケットで打って選手にいろいろな練習をさせる「球出し」をする。
野球でいうと「球出し」=「ノック」かな。
この「球出し」が選手によって微妙に違っているのだ。
初心者レベルでは,とにかく今身に付きつつある形をくずさないように,あまりバランスをくずさずに打てるところに素直な球質で「球出し」してあげる。
それを繰り返すことで,基本の形ができてくるし,ちゃんと打ち返せるから楽しくなって意欲も出てくる。
中級になると,少し走って打たないといけない場所に「球出し」したり,わざと回転をかけて跳ね方の異なる球質を混ぜて「球出し」する。
上級者には,ほとんどバウンドしないボールや速いボールを「球出し」したり,狙うコースを指示したり,スタートのタイミングをわざと遅らせて対応させたりと,実戦的な内容の「球出し」になる。
昔はほとんどイジメとも見える「振り回し」という練習があった。
コート中に「球出し」されるのだが,どれもかなり長距離を走らされて,しかも取れるかどうかギリギリのものばかり。
最もキツイ練習で,終わると必ず吐きそうになる。
いつも「球出し」する人を恨むのだが,それは「球出し」が上手な証拠。
その選手がギリギリ耐えられるところ,すなわち,限界値をさらに広げられるところがわかっていて,そこへボールを出しているのだ。
このようにコーチはプレーヤーごとに微妙に「球出し」の内容を変えて指導するので,どの選手にも自分が今最も必要とする練習ができるのである。
だから,全くの初心者と全国レベル,学年が違っても男子でも女子でも混ざって練習ができる。
で,実際に全国トップを輩出しているのだ。
そういうわけで,ウチの塾はそんな感じで勉強をさせている。
「球出し」の代わりに「教材出し」をしている。
その与え方は個々に違っている。
素人が見ると同じ教材でも,与える生徒によって「意味」が違ってくるのだ。
塾の説明が難しいのでテニスのコーチにたとえてみた。
わかる人にはわかってもらえたと思うが・・・
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しかし,ナダルが初没とは・・・何が起こるかわからない。