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尾崎塾
富田教室

[2013年7月5日]

どんな指導をしているかの実例(数学編)

今日の演習で扱ったのは「確率・期待値」

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袋の中に赤と白の球がn個あって,赤が3個ある。
赤が3つ出たら終了。
k回目に終わる確率と終了するまでに取り出す個数の期待値を求める。

生徒にやらせると,いきなりkとかnを使って頑張って解こうとする。

しかし,抽象的な文字式でいきなりポンと考えられる人間は,阪大や京大にスイスイっと入れるような人で,きっと数学者か何かになっていく人達だ。
私も含めて一般凡人は,いつだって具体的な数字で考察実験した後に法則性を帰納していかないとダメ。

というわけで,本問なら,たとえばn=5くらいを設定して,実際に赤や白を並べた表をつくって考えるように指導した。

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球の出方を網羅した表を見ながら考えて,わかることを文字で書き出してみる。
これもめんどくさがってやらない人が多いが,必ずやるべき。
「赤はk−1回目までに2個出る」というように日本語で書く。
記述答案だと,このように書いてあると,そこまでは考えられているのだから点がもらえるかもしれない。
それもあるが,やはり書いてある文字を見ながらさらに考察を進めることができる点が重要。

kが5の時に白は2個,kが4の時は1個入るので,一般にはk−3個と考えればよいという風に,具体的な数字から一般式を帰納的に想像していく。

数学の先生などは,そういう手順を踏まずにkとかnで考えることのできる頭脳を持っていたかもしれない。
だから,このようなダルイ,めんどくさいやり方を指導しない。
むしろ,そんなことしていたら時間がかかりすぎるとおっしゃるかもしれない。

でも,実際にボンクラな生徒(私もそうでした)は,抽象的に考えるのにも時間がかかる。
しかも間違う\(^o^)/

それなら,同じ時間がかかっても(実はむしろ時間が短くなる),具体的に実験して考えて,正解にたどりつく方がいいに決まってる。
しかも,試験というのは満点を取らなくてよい。
そりゃ,満点を取るには時間が足りないかもしれないが,実際は捨てる問題もあるのだから,たいていは合格点を取る時間は足りるのだ。


生徒には,この問題でもう一つ注意しておいた。

(1)の答えが出て,すぐに(2)の問題にとりかかっていたからだ。
そういう点を見ながら指導している。
(1)の答が正しいかどうかの吟味をせずに次の問題に行ってるので,これは実際の試験では危険なのだ。
つまり,求めた確率が妥当なものか,検算をしておくべきなのである。
本問では,求めた確率のkに1と2を入れたら値が0にならないとおかしい。
赤が3個出たら終了するので,1回目と2回目に終了する確率は0だから。
そういうチェックは1秒でできる。
この確認をせずに次の問題へ行くと,明らかに間違った答を使って解くことになり,時間を浪費することになってしまうのだ。
できれば,せっかくn=5で考えたので,nに5を代入して合うかどうかも確かめた方がいい。

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試験で時間の浪費ほど怖いものはない。
そういう点をいつもいつも指摘しながらやらないと,試験に強くならないのである。




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