[2013年8月4日]
祖父母が多額の資産を持っていても墓場に持って行くわけにいかないので,亡くなった後には相続ということになる。
そのとき,相続税がかかるので,その税金を少しでも減らすために生前贈与という手がある。
毎年110万円贈与しても非課税。
10年間続けると1100万円贈与できる。
でもこれはめんどうだ。
ところが,今年の4月から2年間の時限付きで,教育にかかる費用の贈与が孫一人あたり1500万円まで一括して非課税できる。
教育にかかる費用は,もちろん学校の学費を想定しているのだが,500万円までは学習塾やそろばん塾などもアリなのだ。
だから,これを利用した孫の塾資金が増え,塾業界が潤うのかというと・・・
ウチの塾に限って言えば,まだそれを利用している方はおられないはず。
基本,授業料を銀行振り込みにしてもらっているので,その制度利用に必要な「領収書」を発行していない。
だから,まだ誰も利用していないと思われる。
振り込み画面のコピーでもいいのかもしれないが・・・
それから,月謝袋で納めていただいている方もおられるが,月謝袋は領収書の代わりになる。
ただ,いちいち銀行でコピーをとってもらわないといけないし,めんどうだろう。
それに,塾の名前は書いてあるが,住所の記載がないので認めてもらえないかも。
今後,順次塾の所在地を記載していくが,現時点では銀行でダメと言われるはずだ。
ウチの塾は小規模なので母集団が少ないにしても,4月に制度が始まってまだ利用がゼロ?
他の塾でもほとんど利用者はいないのでは?
理由1:制度そのものを知らないとか,まだ実施されて日が浅いからとか。
理由2:そもそも,贈与できるお金のある祖父母はそんなに多くないとか。
理由3:お金を使う優先順位が,まず学校の学費,塾などは後となっているとか。
理由の1がメインなら,今後増えていく可能性がある。
特に,制度の時限である再来年くらいにドバっと資金が銀行へ?
駆け込みで急に塾生が増えてもウチのような塾だと入りきれないが,大手の塾は潤うのかもしれない。
でも,理由2が大きいのではないか?
おじいちゃん,おばあちゃんがお金を持っているのは確かだし,孫にお金をあげたいのもヤマヤマだが,迷惑をかけたくないのが本音。
お金を全部孫に渡してしまって,自分達が生活できなくなっては迷惑をかけてしまう。
かなり資金に余裕のある層しか贈与できないのだ。
週刊ダイヤモンドによると,三井住友信託銀行では1日平均100件を超す申し込みがあるという。
が,しかし,申し込むのは企業オーナー,地主,会社役員ばっかりだとか・・・
理由の3もありそうで,私立学校へ通わすと年間で70万円〜100万円はかかる。
それだけで資金が尽きて,塾代くらいは祖父母をあてにせずに親が払えってことになってくる。
というわけで,塾業界が潤うって話では全くなく,それでお金が動かせる銀行さんが一番潤うという仕組みになっているようだ。
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