[2013年8月5日]
誰でもちょっとしたミスをする。
ウッカリしてただけで,本当はわかっている。
右と左を間違えるとか。
頭では右と思っていてもウッカリと左と言ってしまうとか書いてしまうとか。
誰でもある。
確かにある。
鳥取を取鳥と書いてしまうとか・・・
どちらも「とり」と読めるからなぁ〜
冠詞のミスとかも多い。an とa のミスとか。
指摘すれば,「ああ,そうだ!ミスった!」ってな具合の反応。
先日は幹夫くん(仮名)が自分の名前をミスっていた。
My name is Mkio. と書いていた。
Mikioと書いたつもりなのだろうが,そういうミスもする。
誰でもそういうことはある。
ところが,テストをしていると微妙に怪しい「ああ,そうだった。ちょっとしたミスしちゃった!」という空気を醸し出す生徒がいる。
そういうのを見逃さないようにしないと,取り返しのつかない状態になってしまう。
よくあるのは現在完了でforとsinceの使い分けとか。
テストすると,4問中2問ミスしている。
これってどうよ?
ほとんどforかsinceしか入らない問題で4打数2安打=打率5割?
いや,テキトーに書いても平均打率5割でしょ?
ということは全く区別ついてないということだ。
こういうのを生徒に指摘すると反応が2つに分かれる。
マシな生徒は,「そうなんです。いつも区別がつかなくって困ってるんです!」と,やっと解決できる機会だとばかりに,一生懸命にその判別の仕方をわかろうとしてくる。
ところが,次のような生徒が実に多いのだ。
「ああ,わかってたんですけどミスりました。次は正解できるから心配しないで下さい!」みたいな空気を醸し出すのだ。
これがまずい。
先生が「ココはforじゃなくて・・・」と言うと,「ああ,sinceでした。うっかりしてました。」とさもわかっていたかのように言う。
ところが,実は全く区別がついていなかったりする。
forでなかったらsinceしかないので,即座に正答できてしまうのだ。
敏感な生徒だとforと書いてあるのを教師が見て首をかしげた瞬間にとっさに「そこsinceでした」と訂正を入れて,正解にしてしまったりする。
このforとsinceの例はまだそういう生徒が少ない。
なぜなら他にも間違う人(仲間)が多いから,間違ったことがあまり恥ずかしくはない。
やっかいなのは,もっと簡単な例。
「この犬」をthat dogなどと書いてしまい,「いっけね,this とthatをウッカリ間違えちゃった!」とやる。
こういうことは誰でもたまにやらかす。
「この」と「あの」を読み間違ったか,ちゃんと読まずに思い込んだかで,ついthatと書いてしまったケースは確かにあるだろう。
ところが,「これ」と「あれ」の区別がそもそもついていない生徒がごく稀にいる。
その場合は深刻だ。
教える側もまさか「この」がthisで「あの」がthatだと区別がついていないとは思ってもいない。
きっと,勘違いかウッカリでミスったのだと思ってしまう。
アドバイスは「気をつけろよ!」くらいしか思いつかない。
間違えた生徒は,まさかそんな初歩的なことがわかっていないとは先生にも級友にも知られたくない。
馬鹿にされるかもしれないし,叱られるかもしれないし,イジメにあうかもしれない。
そんなレベルの内容だと,本人は気づいている。
だから,「まさか,そんな初歩的なことわかってないはずないですよ。わかってますとも。うっかりミスですってば。」という雰囲気を全力で醸し出して,その場をとりつくろう。
教師の反応はいつも「そうか,気をつけろよ。」なので,いつもその場をしのげる。
そうやって小学校からずーっと育ってきた生徒は,中学になっても根本的に全く欠落している部分を修繕することなく,どんどん学校で習う内容が高度になっていく。
そして,もうどうしようもないくらい何もかもわからない状態になる。
そうなってしまった中学3年生が中学3年の内容を教える塾に通っても全く無駄。
個別指導の塾でも学年に合った教材で加減するだけだから無駄。
家庭教師なら1からやってくれるだろうが,そもそもわかったフリをする性癖を見破る能力のある家庭教師はめったにいないので,ほとんどの家庭教師も無駄になる。
やっぱり小学生のうちに,そういう性癖を見抜いて徹底的に矯正しないといけない。
そうでないと,ごまかす大人になってしまう。
中学内容も全くわからない高校生になり,そのまま大学生になる。
入れる大学が山ほどあるから困ったもので,それで就職しようとする。
できっこない。
面接で聞かれたことにちゃんと答えずにごまかすような人間は就職できっこない。
ごまかしているかどうかを見抜くのは,企業の面接官はプロだ。
それが見抜けないと会社がつぶれる。
それで飯を食っている。
なのに,小中学校の教師連中はどうだろう。
まんまとごまかされているのではないか。
それはプロとはいえない。
その証拠に,そういう中学生や高校生を多く見てきている。
見逃しても教師側からすると何も困ることはない。
「次から気をつけろ」とちゃんと指導してるし。
それで食いっぱぐれる心配はない。
そう,それで飯を食っていないのだからプロではなくアマチュア(素人と言ってもいいかも)なのだ。
日本全国,ほとんどの児童生徒はアマチュアの教師にめんどうを見てもらっている。
教員免許があればプロなのではない。
免許があっても教員していない人間は山ほどいる。
今の日本の教育はアマチュア連中に任しているので,そのうち破綻・倒産しても仕方ない状況なのである。
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