[2013年8月12日]
先日の緊急地震速報の誤報について,山ほど書きたいが,基礎知識を持っておくことも大切。
今日は大森公式について。
地震波速度はP波が速く,S波は遅い。
そのタイムラグを初期微動継続時間(PS時間)という。
緊急地震速報はそれを利用している。
P波が来た時点で速報を流せば,S波が来るまでに少し退避時間がかせげる。
PS時間とその観測地点の震源距離には比例式が成り立ち,これを大森公式という。
震源距離をd
P波速度をP,S波速度をSとする。
PS時間をTとすると,TはS波がd進む時間とP波がd進む時間の差だから,
T=d÷S−d÷P
=(1÷S−1÷P)×d
(1÷S−1÷P)の逆数を地震波速度で決まる定数kとみなせば,
d=kT となり,Tとdは比例する。
kはおよそ7.5くらいだと知られており,震源距離の7.5倍がPS時間だ。
例:緊急地震速報を受けてからS波が来るまでがおよそのPS時間であるから,速報を受けて10秒後に大きく揺れたのなら,
d=7.5×10=75kmとわかる。
つまり,おおよそ誤差があっても50kmから100kmの震源距離なら10秒前後で大きく揺れる。
大森公式を知っていたので先日感じたことを書く。
先日の誤報の震源は奈良であるとされていた。
速報を受けた時は塾で講習の真っ最中。
で,奈良が震源とわかり,10秒経っても大きな揺れが来なかったのでまず安心した。
奈良県の塾に近い場所が震源なら,震度5強くらいの揺れが来てもおかしくない。
しかしどう考えても震度6はないだろう。
それで,20秒経った。
揺れが一切来ない・・・
それで逆に血の気が引いた。
ヤバい・・・
その直後に書いたのが先日のブログのヤバい・・・という記事である。
ウェザーニュースの画面で震度7がどこかで発生しているらしく,でも実際はそんな地震は起こっていない。
奈良や和歌山でその規模の地震が起こって,大阪で全く揺れないということはありえない。
ところが揺れなかった!
「誤報だ!」
速報から20秒経って誤報と確信したので血の気が引いたのである。
やらかしちゃった!
こういう誤報があると結局はおおかみ少年効果で退避するための初動が遅れることになる。
だから,そういうことのないようにマスコミは徹底して報道し,精度を高めるよう圧力をかける一方,世の中の人にも啓蒙する方向で番組を制作すべきなのだ。
今回もマスコミはマスゴミだったのが残念だ。
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