[2013年9月3日]
先日の話で,昔のことを思い出したので補足しておく。
多くの生徒がクラブ活動をやっていたが,最低でも目標大学に行ける学力をキープできるように指導していた。
常々言うように,クラブ活動で将来の飯は食っていけないのだから,やはり勉強優先の生活をしなければだめだ。
かといって,クラブ活動のすばらしさは他の誰より知っているつもり。
そこのバランスをとらせる指導がおそらく私にしかできないサジ加減だったのだと思う。
仮に,勉強ばかりやらせてその大学に入ったとしても,保護者の方はそれほど感謝してくれなかったはず。
そんなの当たり前すぎる。
私立進学校で勉強させて国立大に入った。
ただそれだけ。
ところが,その高校は特進クラスであろうとクラブ活動をしてOKだった。
かと言って,自由にさせておくとどうしてもクラブばかりやってしまう。
なので,高1のはじめから「しばり」をかけた。
たとえば模試で偏差値55を切るようならクラブ停止。
放課後残って補習。
英単語,覚えてなかったら追試。
こういうのはクラブが試合前であろうとそうすると約束した。
その甲斐あってか,高3の最後までクラブを続けたが,なんとかその生徒は大学入試に間に合わせることができたのだ。
(実際は間に合わなかった生徒も多くいた・・・)
クラブ活動を熱心にやる生徒への指導は,多くの場合クラブ顧問VSクラス担任という戦いに陥りがちである。
進学担当の方はクラブなんかせずに勉強するように指導する。クラブ顧問は勉強より大切なモノがあるとか何とか言って,ありえないほどクラブ活動をさせようとする。だから戦いになる。
ところが私はそのような戦いをしたのでは全くない。
むしろ逆。
ココがポイントだ。
つまり,クラブ顧問と協力して生徒を指導したのだ。
たとえば,試合があった翌日には,クラブ顧問の先生に「○○の試合,どうでした?」と聞く。
実際「そいつのせいで負けた」みたいなこともあった。
普通だったら翌日学校に行きたくない気分のはずだ。
でも,ちゃんと登校してきたのなら,「よく来たな。えらい。」とめったに人を褒めないのにちゃんと声をかけるなどしていた。
逆に,活躍した翌日は,「試合どうだった?」などと振ってあげる。
結果は知っているのだが,知らないフリして。
先に述べたような「しばり」については顧問の先生と協力して実施した。
顧問の先生にもちゃんと勉強しないとクラブさせないと言ってもらい,要するに逃げ道を絶ってあげた。
もちろん,保護者の方にもそうやって皆で指導している旨を伝えて,家庭でも同じように理解していただき,その生徒を取り囲む大人全員がそいつの「今」と「将来」のために動いたのだ。
そういう環境を整えてあげると,それは充実した生活になる。
しんどいけど,周囲のサポートがあるので勉強もクラブも頑張れる。
そんな感じですべての生徒が濃密な生活を送られるように日々考えて過ごした。
こういう指導をやっていたら,それは「いい先生」だし「いい学校」だろう。
今でもこのように指導している先生は世の中にいるだろうが,おそらく少数派。
しかし,後後まで感謝してもらえて,教師冥利に尽きると思うので,多くの先生にそういう指導者になって欲しいと願うばかりだ。
超ハードスケジュールの合宿もやったなぁー
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