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尾崎塾
富田教室

[2013年11月3日]

現代文が飛躍的にできるようになる言葉

「対象化」

この言葉の意味がわかるかどうかが境界線。

現代文は自分を対象化することで得点力が飛躍的に上がる。

理由はカンタン。

自分を対象化できない受験生が間違うように出題者は設問を作るから。

読んでいくうちに,自分の世界に入ってしまって単なる一読者になってしまうような人=対象化できない人はことごとく間違うように罠がしかけられているのが現代文の試験だ。

今日の授業でも,魯迅の文章できっちり間違えてくれていた(笑)

つまり,選択肢の中に,普通の日本人の高校生ならこう感じて読むだろうなあというものを入れてある。
善良な高校生はほぼ全員がそれを選んでしまう。
ところが舞台は中国のお話だったりする。
日本人の高校生の感性とは全く違っている。
言っちゃあ悪いが(本当は悪いと思ってない),中国人は他人をだまして自分が得をするのが普通なので,馬車に轢かれたフリをして金をせびる老婆がいたり,倒れた老婆を助けずに素通りして行くのが当然の世界。
なのに,老婆を気の毒に思ってしまう高校生は全員が間違った選択肢を選んでしまう。
全く無理もない話だが,それでは現代文で間違ってしまうのだ。
そういう意味で今日の問題は非常にいい教材だったりする。

今日は体験の生徒や保護者の方といろいろお話したが,多くの方々が自分や自分のお子さんを対象化できていない。

だから進路を誤る。

状況を客観視できていないのだ。

そういう意味で,国語力・現代文を解く力は生きていく力そのもの。

特に中1や中2の男子は全くのお子ちゃまなので,対象化なんて不可能。

ここまで書いたが,そもそも「対象化」という言葉は現代文でよくわからない言葉の代表だ。
言葉の意味を知らずに文章は読めない。
だから,読解に必要最小限の語彙力はつけておかないといけない。

とはいえ,この「対象化」という言葉を学ぶ場合に,自分を対象化できる力がないと言葉自体を理解することが不能になる。

怒りという感情を持ったことのない人に「怒り」という言葉が理解できないように。
そんな奴いない?
全力を尽くしたことのない人に「全力」という言葉がわからないみたいな。
自転車を見たことのない平安時代の人に「自転車」を説明してもわからないみたいな。
津波に遭ったことのない住民に「津波」に備えてもらうのが困難なように。
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そういうわけで,「対象化」できる人間こそが現代文ができるのみならず,人生の文脈の中で自分を生かすことができるのである。




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