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尾崎塾
富田教室

[2013年12月16日]

不都合な真実その3

真実その3 = 私立高校はたくさん受験できる

大阪府だけでなく,京都府も兵庫県も私立高校の試験日は2月10日に統一されています。
よく考えて下さい。
これっておかしくないですか?
たとえば大学入試だと,2月の1日から4日まで立命館大学を受けて,5日と6日は同志社大学を受け,7日8日は関西大学を受験することができます。
1月に入試をするところもあれば3月にもあります。
たくさん受験できるのです。

高校入試はどうしてどの学校も同じ日に1回だけ試験をするのでしょう?

これにはカラクリがあります。
要するに,私立高校は事実上,競争しないのです。
あらかじめ,各中学校が私立高校に生徒を「割り振り」してくれる。
その代わり,割り振られた生徒は合格させる。
私立高校からすると,頑張って募集しなくても中学の先生が自動的に一定数の生徒を送り込んでくれるので楽ちんです。
中学校側は不合格になる心配がないので安心です。
複数の受験になると調査書の発行が複数になってめんどうですが,一人につき1通だけ書けばいいのでカンタン!

私立高校にも良し悪しがあって,競争すると生徒が集まらずに倒産する可能性があります。
それを防ぐためにこのようなシステムになっています。
護送船団方式ともいいます。
もちつもたれつです。
このシステムの肝心なところは,公立高校も結託している点です。
あらかじめ公立高校に何名,私立高校に何名というように人数を割り振っています。
だから,私立に行く生徒が少なくて私立学校がつぶれることはありません。
逆に公立はもともとつぶれないようになっていますが,都合にあわせてつぶしたり統合したりもします。
公立の先生は学校がなくなっても他の学校で働けますから。


が,しかし,

実は1.5次入試というのがあって,2月10日の入試以外にも受験できたりします。
本来,2月10日の入試も競争試験ですから,不合格になる生徒がいてあたりまえです。
特に,最上位校は競争入試です。
偏差値70の高校に落ちた生徒でも偏差値65くらいあったりしますね。
下位の学校からすると是非来て欲しい学力の持ち主です。
だから1.5次入試をやるのです。
ところが,最上位校でなくても中学校の「割り振り」に従わない生徒がいて,上位校にチャレンジして不合格になるケースや試験当日にアクシデントで受験できない生徒もいます。
そのような生徒を目当てにかなり下のランクの高校も1.5次を行っています。
したがって,2月10日がダメでも多くの高校を受験することが可能なのです。
たとえば金光大阪や早稲田摂陵などは例年行っていますし,追手門や大阪青凌は2月10日の募集状況を見ながら実施するかどうか決めています。
京都の学校は大阪より少し遅れて1.5次をやりますので,万一大阪の高校がダメでも京都の私立高校へ進学する道がまだあります。
さらに,公立高校を受験して合格することもできますし,公立高校がすべてダメでも2次募集をする私立高校もあります。
そういうわけで,2月10日の試験で中学校の「割り振り」に従って受験する必要はなく,希望のところを受験して全くかまわないのです。
ダメでもその後に受験するチャンスがあるのです。

昨年度の実施校リスト→img1 あくまで前年実施分ですから,来春の分は未定です。
でも例年およそこれくらいはあります。

今年度の分は2月7日にココに掲載されます→私中高連1.5次


具体的な例を考えましょう。
中学の懇談では追手門は無理だから金光大阪にしろと言われた場合。
でも追手門がいい。
どうする?
追手門を受験していいのではないでしょうか。
不合格になる可能性もあるが,ダメでも金光大阪は1.5次があるので,はじめから金光大阪を受験するのと何ら変わらない。
受験料が発生するが,それ以外何もデメリットはないですから。
実際,過去にそのケースで追手門に合格した人が多数います。
逆に,不合格になった生徒もちゃんと1.5次で金光大阪に合格しています。

あっ,ちなみに高槻市や茨木市の中学では指導の順序は上位から,関西大倉,追手門,大阪青凌,金光大阪です。
しかし,特進などのコースによって良し悪しもあるでしょうし,実際の指導内容や学校の雰囲気に合う合わないもあります。
早稲田摂陵を選択肢に入れる手もあります(笑)
中学の「振り分け順位」ではなく「各自の好み」で受験校を決めたらよいと思います。
どの高校も決して悪い高校ではありません。




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(笑)の意味がわかる方は相当の早摂通ですね(笑)