[2014年1月20日]
第4問
A
問1 正解?
雲の粒ってかなり小さくて,0.01mmである。これが多数あつまると雨粒となるが,雨粒の直径が1mm程度である。アには[0.01]が入る。
イとウはフェーン現象をよく演習している人が引っ掛かる設問。通常の問題集をやっていると空気塊が下るときはいつも乾燥断熱変化だが,本問のA-B間はまだ雲が残っている点に注意。これらの水滴が蒸発するときに熱を奪うので,乾燥断熱変化ほど気温は上がらず,湿潤断熱変化と同じ割合で気温が上昇する。したがって,イは[湿潤断熱減率]が入り,ウは[上がる]が入る。
問2 正解?
一旦上昇しはじめた空気塊をさらに上昇させようとする力が働く場合を不安定という。上昇した空気塊が周囲よりも高温であれば上昇する。乾燥断熱変化で上昇するよりも湿潤断熱変化で上昇する方が高温になるから不安定になりやすい。その湿潤な飽和した空気でさえ上昇をやめて下降してくるような場合(=本問の山頂付近がそれ!)は不安定であるはずがない。よって?が正解。(ただし,?の可能性もあるので・・・)
問3 正解?
天気図の読図。冬型の気圧配置であれば日本海側に雪を降らせて太平洋側に乾燥した空気が下りてくる。これはcの天気図。日本海側でフェーン現象が起こるには,本州に南風が吹かなくてはならない。台風の周囲には反時計回りに強い風が吹くが,ちょうど本州が台風5号の東側にあって南風が吹いているaが適する。
問4 正解?
?:露点以下で「過飽和」,0℃以下で「過冷却」である。誤文。
?:これはそのとおり!正文。
?:大きな粒の方が質量の割に浮力が小さいので落下速度が大きい。雲の粒などはほとんど浮かんでいて落ちてこないくらい遅い落下速度になることからも誤文とわかる。
?:気象衛星で観測されるのは反射されたものではなく自らその温度に応じて出す赤外線である。真夜中でも雲や地表は赤外線を放射しているから写るのである。誤文。
B
問5 正解?
赤道低圧帯では気圧が低く,上昇流が生じている。そこへ流れ込むのが貿易風。エには[低く]が入る。貿易風が弱まると太平洋の西に吹き寄せられて厚くなっていた表層のあたたかい海水が東へもどって薄い層になる。主水温躍層までがこのあたたかい層で,東西の厚みの高低差は小さくなる。オには[小さく]が入る。エルニーニョ現象は数年に一度の頻度であるからカには[数年]が入る。
問6 正解?
赤道ではコリオリの力ははたらかないのでaは誤文。
亜熱帯環流は南半球では反時計回りであるからbは正文。
水蒸気は潜熱輸送だけでなく,温室効果ガスとして地球の熱収支に関わっているのでcは正文。