[2014年1月21日]
第5問
A
問1 正解?
火星が逆行するのは衝の位置,すなわち火星が太陽と逆の方向(地球の夜側)にあるとき。金星が太陽の西側に離れるのはいわゆる明けの明星。明け方,太陽の右上に見える。地球から太陽の右側に金星があって,火星が衝の位置なのは?。
問2 正解?
近日点距離と遠日点距離の平均値が平均距離aである。
よってa=(1+3)÷2=2天文単位。
このaの3乗と公転周期Tの2乗が比例するというケプラーの法則を利用する。太陽のまわりを周回する天体ならどれも比例定数が同じなので,地球と比較すればよい。地球はa=1天文単位,T=1年なので比例定数は1であるから,この小惑星もTの2乗=aの3乗である。ここでa=2よりT=√8=2√2≒2.8年となる。
また,公転速度が最も速いのは近日点付近であるので,?が正解。
問3 正解?
黄道十二星座の星占いのイメージで,月ごとに太陽の位置が星座の中を動いていく。季節ごとに見える星座はその太陽のある星座と反対方向のものであり,?は正文である。
?:地球の赤道面は公転面に対して傾いていない方がむしろよい。地球の公転軌道面と他の惑星や小惑星の軌道面がほぼ同一平面にあるから天の赤道から地軸の傾きである±23度くらいまでの範囲を動く。
?:日周運動の原因は地球の自転である。公転ではない。
?:年周光行差の原因は地球の公転である。自転ではない。
B
問4 正解?
遠方の銀河はドップラー効果によって波長が長い方にずれて観測される。よってアは[長い]が入る。宇宙の年齢は約140億年と考えられている。イには[140]が入る。ちなみに46億年前は太陽系や地球が形成された年代。宇宙開闢の大爆発はビッグバンである。ウは[ビッグバン]が入る。
問5 正解?
遠方の銀河までの距離はハッブルの法則により後退速度に比例するので,銀河Aまでの距離:銀河Bまでの距離=4000:12000=1:3
今,銀河Aは銀河Bより3倍明るく見えるのでその明るさを3L,Lとおく。
BをAと同じ距離に持ってくると,距離が3分の1になるので明るさは9倍になるはず。
したがって,Bの明るさは9Lとなる。すると,銀河Aの明るさ3Lは銀河Bの明るさ9Lの3分の1になる。
問6 正解?
?:宇宙が生まれたときの大爆発=ビッグバンで生じたのは水素と少量のヘリウムで,あったとしてもリチウムやベリリウム。炭素やマグネシウム,ケイ素といった重い元素は恒星内の核融合反応でつくられた。また鉄よりも重いウランや鉛などの元素は超新星爆発で形成される。誤文。
?:宇宙の膨張によって温度は下がっていく。空気塊の断熱膨張と同じように考えればいい。誤文。
?:一般に銀河は銀河群という数十個の集団をなしており,もっと大規模な銀河団という集団もある。誤文。
?:遠くの天体から地球に光が届くまでに時間がかかるので,その分だけ過去の姿を見ていることになる。つまり,1億光年彼方の天体からの光を観測すれば,1億年前の過去の情報を見ていることになる。正文。