[2014年1月23日]
どういうわけか,センター地学の内容が気象予報士のフォーラムで話題沸騰?!
高校生に解かせるのもどうかというテーマだった第4問。
問1は引っ掛け問題でいいのだが,問2が難しい。
ただでさえ,大気の安定と不安定を理解できていない受験生が多いのに,安定か不安定か条件つき不安定かを問うだけでなく,その根拠も含めての選択肢になっている。
センターは選択肢3を正解としている。
「空気塊が上昇中に飽和に達しても山頂上空を通過したあと
下降するので,大気は安定(絶対安定)である。」
「下降するので」とあるから,下降すれば100%安定だと解釈できる。
ところが,山を越えて周囲よりも気温が低ければ下降するのだ。
エマグラム(気温と高度の変化を見るグラフ)で考えると,安定でなくても下降する場合が確かにある。
条件つき不安定という状態でも本問のようなことが起こってしまうのである。
では選択肢4が正解かというと,これもビミョーだ。
上記のように条件つき不安定である可能性はあるが,かといって,
「空気塊が山頂を通過して下降したあと再び上昇するので,大気は条件つき不安定である。」
とは言い切れない。
今度は逆に,安定な状態でもこのような上昇が起こる可能性がある。
つまり,3でも4でも「そうとは言い切れない」というのが本当のところなのだ。
こういうのはエマグラムを描いたりしてじっくり考えないと思い至らないので,一般の受験生は「よくわからん」といってテキトーにマークしたのだろうが,予備校で私が教えた生徒はフェーン現象の解析をエマグラムを使ってしっかりやった。だからよく勉強した生徒が悩んで時間をロスしていたのなら気の毒としか言いようがない。
一般には笠雲ができたりレンズ雲ができるのは安定な場合が多いのだろうが,理科の問題としては不適切。
大学入試センターがどう対応するかを待とう。
(まさか,ウヤムヤにする?どーせ地学選択者なんか少ないし?)
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