[2014年3月8日]
先日,看護師になりたい生徒が合格した。
私立の大学は合格していたが,家計の負担も考えてか,国公立大学への勉強を継続していた。
センター試験は思うように取れなかったものの,地方の大学で2次挽回のチャンスのあるところにチャレンジした。
E判定であったがみごと合格した。
この生徒は,中学生の頃から看護師をめざしていた。
ところが,高3になってからウチの塾の門をたたいた。
数学が苦手だというので,体験授業でやらせてみると,たしかに史上稀にみる出来の悪さ・・・
入塾体験では通常はセールストークをするのだろうが,ウチの塾はいきなりのストレートパンチが飛んでくる。
「話にならない状態と気づいていて,今頃来ても遅すぎるよ。このまま毎週10コマ塾に来ても,到底合格点に届かない。どうしてもっと早くに塾に来るとか,自分でやっておかなかったのか。」
と言われて泣き出してしまった。
そして一応入塾の用紙を渡したものの,泣きながら帰る姿を見て,さすがにもう諦めるだろうと思っていた。
しかし,その生徒は数日後に入塾の用紙を持ってやってきたのだ。
正直びっくりした。
それでも絶対に看護師になりたいというのだ。
しかも,住んでいるのは塾からかなり遠い門真市だ。
それでも毎朝始発に乗って来るという。
そこから連日早朝に数学の演習をする日々が続いた。
もちろん冬期講習もしっかりと演習して,奇跡的にうまくいけば7割を越す可能性もなくはない程度に学力を上げてきた。
結果的に,国語の古文漢文が全く取れず,数学も予定どおり惨憺たる点数であった。
でもまだその生徒はあきらめなかった。
このセンターの点数でも,ボーダーまでの点差を逆転できる可能性のある大学をさがしてきたのだ。
確かに,合格ラインまでの点差が2次の配点の1割未満であれば逆転合格の可能性はある。
しかも,試験で数学のないところだった。
英語と国語はまあまあの学力だったので,そこから1カ月の間,しっかりとやれば合格の可能性はあった。
特に,英作文がしっかり出題されるので,毎日英作をやらせて,個別に1文1文添削し,相当まともな英作ができるようにもなった。
そしてなんと倍率9倍の難関にうまく逆転合格できたのだ。
指導の甲斐があった。
しかし最大の要因やはり,本人がそこを目指してブレなかったことだ。
初めに国公立は無理と言われ,それでも逃げていてはいけないと奮起し,センターでも絶望的な判定を突き付けられ,それでも可能性のあるところを探して頑張った。
入試って,結局は本気でそうなりたいという人に有利になっている。
志望動機のあやしい人間は最後の頑張りがきかないのだ。
今まで,何人もの受験生を見てそう思う。
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そういう意味で,今日体験に来た高校生は合格しない気がする。
国公立の看護師志望。でも,ダメなら関西大学の他の学部でいいとか言ってた。看護師でなくてもいいのなら,その時点で看護学科は合格できないと思う。まあ,一応本人にはそのように伝えたが,理解してもらえたかは不明。