[2014年3月9日]
昨日書いたように,必死のパッチで頑張って合格した生徒は,防災の観点からすると決して誉められたものではない。
津波に飲まれそうになりながら,なんとか生き延びたという話。
一歩間違っていたらお陀仏だった。
本来なら,「なぜもっと早く勉強をはじめなかったのか」とギリギリになって言われないように,もっと早目に高台に避難しておればよかったのだ。
この写真は有名な岩手県田老地区の堤防。
万里の長城とも言われるくらい長大で,平時の海面からの高さが10mある。
地元の人はこれで安心したのか,200名近い方が亡くなっている地区だ。
受験で不合格になる心の持ち方と,津波で被害に遭う心の持ち方に共通点がある。
「このくらいあれば大丈夫だろう」
この勝手な判断が命取りになるのだ。
模試の偏差値が60くらいあったら神戸大も大丈夫だろう。
今年は倍率が低いようだから大丈夫だろう。
先生に指示されたとおりの答案の書き方で大丈夫だろう。
入試までまだ○カ月あるから大丈夫だろう。
今までこうだったから大丈夫だろう。
これは津波にたとえると同じ心理。
堤防が10mくらいあったら大津波でも大丈夫だろう。
今回は3mの津波の予報だから大丈夫だろう。
行政に指示された避難所に逃げとけば大丈夫だろう。
到達予想時刻までまだ10分あるから大丈夫だろう。
今までここまで津波は来ていないから大丈夫だろう。
全く同じと言ってよいくらい,被害に遭う心理と不合格になる心理は似通っている。
唯一の大きな違いは,再来周期だ。
津波はいつ来るかまったくわからない。
再来周期を統計処理して発生確率を計算しているが,むしろ危険なことだ。
まだ大丈夫の気持ちを持ってはいけない。
一方,受験はほぼキッカリ1年周期でやってくる。
しかも,何月何日の何時何分まで予知されている。
津波に比べるとこれほど対策を立てやすいものはない。
なのに,である。
津波と同じように受験の波に飲まれてしまうバカが多いのだ。
現在2年生の諸君。
波の高さを低めに見積もって甘く見てはいけないと理解し,早目に行動することをお願いしたい。
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