[2014年3月11日]
こどもの予防接種的に残念なのは,震災の遺物を残す残さないの議論だ。
被災地の人が,「あれを見る度につらいことを思い出すのでなくして欲しい。」というのは,注射が痛いのがつらいと言っているのと同じ。
将来のことを考えたら,今はつらいかもしれないが,残した方がずっといい。
ただ,注射と違うのは,つらい本人が治癒しないという点。
そのつらさと引き換えに,その遺物を見た将来の人が二度とこのような悲惨なことにならないようにと気づくきっかけを与えるのだ。
解体や撤去がきまったものの中に,ぜひ残しておくべきものがたくさんある。
南三陸の防災庁舎
これがなくなると,南三陸に来て,何が起こったのか全くわからなくなってしまう。
こういう被災を「語る場所」が必要なのだ。
気仙沼の大型船
この船を見るために,わざわざ気仙沼に寄り道する人が多く,観光バスもここを通っていた。
現在はすでに解体されてしまい,その「にぎわい」がなくなった。
人は来ない。だからお金も落ちない。
復興に逆行することにもなっている。
復興はどうでもよいが,残念なのは,これを見て津波のすごさ,大きさを体感できるものだったからだ。
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