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尾崎塾
富田教室

[2014年3月15日]

神戸大学に合格した生徒の実例

今春,神戸大学理学部に合格した浪人生S君がウチの塾でどのように過ごしたかを紹介しよう。

彼は槻の木高校出身。
入塾のきっかけは友人(幼馴染)が現役でウチの塾に通って,なんとか公立大学に合格したことから,とても良いと聞いてきたようだ。
ただし,友人が良くても,本人に合うかどうかは別だと確認してからスタートした。
現役時は大阪府立大を不合格になっている。

理科は得意だが数学が苦手だという。
そこで,とりあえず数学を重点的にめんどう見ることにした。
週に2回,必ず目の前で問題を解かせ,その解き具合を見る。
解くスピード,正確さ,書く内容をチェック。
どうしても方向性がわからないような場合を除いて,自力で解いていかせた。
そして,答を出した後で,途中でこうした方がよかったとか,別解を紹介したりという地味な授業を1年間継続した。
それ以外は自学自習だが,どの教材をやるかは面談で決定。
典型問題をしっかりと刷り込むため,数学は青チャートをやる。
理科はリードαや重要問題集という,これも超定番の問題集。
何も特別な教材は使わず,本当に市販の問題集を丁寧にやり込むことにした。

大切なのは,そのペース配分。
どれくらいの進捗状況か,毎週月曜日に申告させた。
そして,その週に何をやるかを毎週確認してスタートをする。
毎週確認した報告書の例がこれだ。

img1
彼がえらかったのは,このペースを1年間ずーっと変えずにやりきったこと。
朝8時から授業するときは,1秒でも遅れたら授業はしないのだが,そのような遅刻は1度もなく,よほど風邪を引いたとかでなければきっちりと一日中塾にいてしっかりと演習しつづけたのだ。
夏あたりの模試では神戸大でC判定がつくようになっていたが,秋にどうしても古文と漢文に不安が残るということなので,古文はブロードバンド予備校の講座を取らせることにした。また,漢文もDVD教材で映像授業を見させた。ある程度受験勉強をやってきた人間がこういう予備校講師の授業を受けると,今までの蓄積がモノを言って,すごく理解が深まるのだ。これは本人も役に立ったと言っていた。

さて,数学の伸ばし方だが,やはりじっくりと考えて試行錯誤させるのがよかったといえる。
はじめは解くのに時間がかかっていたが,それは気にせずに考えさせた。本来なら20分で解かなければならないところを90分かそれ以上かかる場合もあった。
数学の学力は,考えないとつかないのだが,かといって,何も頭に入っていない状態で考えろと言っても無限に時間がかかる。
だから,現役高校生で,習って間もない内容であればすぐに答えを見るように指導する。
そして,いろいろな解き方を一度頭に入れておくのだ。
そして,何度か答を見ながら解くことをやったなら,今度は自分の引き出しの中から解法を試行錯誤する訓練をしなければならない。
その訓練の積み重ねがあれば,瞬時に最適な解法を見抜く力がついてくるのだ。
img2

センター試験が近づいても,理科や数学は特にセンター対策をしなかった。
本質的には2次学力をつけておけば十分に対応できるからだ。
ただ,リスニング用の教材だけは少し与えた。
結果,理科と地理は9割を超え,不安のあった数学も8割を越した。
国語が今年も難しかったが,平均点を上回る点数で乗り切って,神戸大ボーダー付近の総合点であった。
2次は得意な理科と,若干不安な英語と数学だ。
しかし,数学は冬の演習でほとんどの典型問題を時間内に解く力をつけていた。
英語では英作文が不安なので,それだけは添削指導をした。
まあ,よほど失敗でなければ合格するであろう力がついていた。

こういう感触は,長年生徒を見ているので,ほぼ間違いなく当たる。
模試の偏差値とか判定よりもずっと当たる。
そういうことが再確認できた生徒であった。

こんな風に,個人の能力を総合的に把握して,毎日の様子を見ながらアドバイスをしていく。
そういう浪人生活を送ってもらうのがウチの塾なのだ。


神戸大というと,まずまずの難関大だ。
でも,本人の勤勉さがあれば,大手の予備校に行く必要が全くないという例。
むしろ,大手は授業が多く,聞かされている時間が長いために,自分でどんどん演習する時間が少ないというデメリットがある。
それに,これだけ丁寧に一人の生徒を見てくれるものではない。
しかも,払う金額が半分とかそれ以下だったりするのだ。
とてもお得な浪人生活を送ったS君であった。




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ちなみに,私の中ではC判定は「合格確実」の判定。
BやAならそのレベルは低いので上をめざせという合図。
D判定は順調。
E判定は「いい」判定。全然気にしない。