[2014年7月1日]
塾の本棚で異彩を放つ分厚い上下2巻。
「親切な物理」
渡辺久夫氏の名著で,私も高校生の時にお世話になった参考書だ。
その名の通り,親切に1から10まですべて書いてある。
初学者がとまどうような言葉の定義や数字の扱い方もきっちり読めば完全にわかるようになっている。
参考書とはかくあるべきというお手本のような名著なのである。
東大に行った高校の先輩は,学校の授業は一切聞かずに(おいっ),この参考書だけで勉強したと言い切っておられた。
何も文句のつけようがないのだが・・・・
普通の高校生にはおススメできない理由がいくつか。
まず,とにかく古い(笑)
古典物理の理論自体はニュートンの時代から変わらないので,全く問題ないのだが,力の単位が重量キログラムだったり,熱量の単位にカロリーが出てくる。
むしろ,単位の変遷や単位変換に習熟できると前向きに考えることもできるが。
次に,分量が多い。
そりゃそうだ。
1から10まで,事細かに分厚い上下2巻に詰め込んである。
矢鱈に字が小さいので,その密度たるや他の参考書の倍以上。
それをやるには相当に時間がかかる。
学校でしょーもないクラブ活動をしていては上巻すら終えられないだろう。
さらに,ちゃんと書いてあるのだが,やはりある程度の普通の日本語力=学力がないと読みこなせない。
まあでも,この本以上に懇切丁寧に全部書いてある本は他にない。
同じコンセプトで現行新課程の参考書を書けば,それは売れるに決まっているのだが,どなたか執筆されないだろうか。
この親切な物理を現行課程版に変換するだけで十分にベストセラー復活となるハズなのだが・・・
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