[2014年7月10日]
女子生徒は図形が苦手だという通説がある。
というより,数学が苦手?
今日,女子生徒がベクトルの演習をやっていたのだが,ノートに図を一切描かずにひたすら計算で答えを出していた。
しかし,ベクトルというのはそもそも図形を表すためのものだという認識に立てば,計算で答が出る問題であっても図形を描いて確認するという作業が必要なのだ。
たとえば,あるベクトルpが(1,2)という成分で表示されていて,このベクトルと同じ向きで大きさが5のベクトルを求める問題。
pの大きさを三平方の定理で求めて,長さの比を使って求められるのだが,三平方の定理が図形に関する定理だという認識すらないのではないかという疑惑がある。
ベクトルの大きさを求める公式にあてはめて解いているのだ。
どう見ても三平方の定理なのに,多くの生徒は単に公式としか見えていないのではないか。
だから,計算結果がうまく合えば正答するが,計算ミスしたらお陀仏という不安定な状態になってしまう。
ところが,ベクトルを常に図形ととらえ,すべての公式を図形を元に理解していれば,見たら答えがわかるのである。
一目瞭然というやつだ。
さっきの問題を例にすれば,
こんな風に図を描いてやればいい。
長さが5になるのだからそのベクトルrは(√5,2√5)に決まっているのだ。
それで,女子が特に図形を苦手としているのだが,これは性差によるものだという説がある。
そうだろうか?
実は,それがあったとしても,高校程度の数学ではほとんど関係がないと思われる。
その証拠に,先ほどの図を見せればどの女子生徒もちゃんと理解できるのだ。
したがって,要するに女子生徒は図を描けばわかるのに,描かずにやろうとする,そういう根性遺伝子がじゃまをしているという仮説が成り立つ。
もしそうなら,その根性をたたき直して,ちゃんとめんどくさがらずに図を描くように訓練すればいいだけだ。
男子生徒の方がズボラだというイメージがあるが,実際は女子の方がズボラなのではないか。
計算したら計算だけですまそうとする,なんとも怠慢な態度。
計算したら,図を描いて確かめ,図を描いて解いたら計算で確認するという態度を女子生徒が持てば,おそらく数学が苦手ということにはならないと思われる。
男子の方が,パッと見はいいかげん。
でも,スンゲー雑な図であっても,男子は一応描いていたりする。
女子は描くのはキッチリでないと気がすまないのか,ちょろっと描くということもしない。だからダメなのだ。
そういうわけで,女子の方がその腐った根性を指導することによって伸ばせる余地が多いのではないかと考えるのである。
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でも,その腐った根性は遺伝子レベルのものだから無理なのかどうなのか・・・
それを検証するのが我々の仕事。