[2014年7月18日]
高校側は得をするのか?
評定平均値が高い生徒は高校の先生からすると非常にすばらしい生徒だ。
学校のお勉強を一生懸命にやるのだから,先生方のウケが悪いはずがない。
定期考査の範囲をきーっちりと勉強して,指示された課題も完璧にこなす。
クラスの委員や生徒会,クラブ活動もちゃんとやって部長さんだったりする。
後輩や友人からの人望が厚く,まさに模範生だ。
そんな生徒でも,いざ実力テストになるとカラッキシだ。
普段,いろいろと忙しいから。
そんな生徒に朗報。
普段の振る舞いがすばらしく,成績=学校の評定が高い生徒を難関大に合格させてくれるという指定校推薦がある!
この制度を使えば,あのすばらしい生徒さんが難関大というステータスをゲットできるのだ。
というわけで,その真面目に学校生活を過ごしている模範生さんはみごと推薦されて難関私大へと合格するのである。
とりあえず,合格した時点で本人とその親御さんは4年後に就職できていないとか,留年しているとかはまだわからないし,真面目にやっていればなんとかなるくらいにしか考えていないので,
「先生,本当にありがとうございました。おかげさまで実力では到底無理だと思っていた難関大学に入ることができました。」
と,感謝感激雨あられ。
推薦した教師側は,
「いえいえ,本人が自分で勝ち取ったものですよ」とか何とか言いつつも,でも「ちょっと私が口を利いてあげたので合格できたんですよー」と,少しにおわせながらいい気分に浸るのである。
実はこの偉そうにしたい教師にとってのメリットが指定校推薦の唯一最大のメリットなのである。
本来は,難関大に合格できるような学力をつけてあげるのが教師の仕事だ。
それを,その生徒の人望が厚いことを利用して,クラス運営やクラブ運営をスムーズにやってもらう。
当然,学力は低空飛行だが,真面目なので評定はかせいでくれる。
推薦で大学に入れてあげられる。
入れてあげるのは教師の方なので,恩を売ることができるのだ。
そして,大学に入ったその後は知ったこっちゃない。
本来の学習指導ができないダメ教員,クラス運営ができないダメ教員,クラブ運営ができないダメ教員が大好きな模範生。
そいつに,お礼を言うどころか,指定校推薦に合格させてあげたのだと,恩着せがましく生徒・保護者に対応できるというすばらしい制度が指定校推薦なのである。
そういえば,大阪市立の高校で,体罰を苦に自殺した生徒。
あれは,推薦入試目当てでキャプテンをやって,いい子を演じるのが苦で自殺したと言われている。
体罰でしか生徒をコントロールできないような無能教師にとって好都合な推薦入試制度は廃止するべきだと思う。
にほんブログ村
にほんブログ村