[2014年7月21日]
赤木麻友(仮名)は9月に指定校推薦が決まっていて,それから受験勉強は一切していない。
そりゃそうだ。
合格が内定しているのだから。
そして不合格通知が12月1日,それから学校側も必死で合格にしてもらおうと動いたので,10日くらいは状況待ち。
いよいよどうにもならないとわかったのが12月10日過ぎてから。
夏の時点で,産近甲龍の合格レベルになかった生徒が,夏以降に受験勉強をしなかったら,もう昔に覚えていたこともすっかり忘れている。
今から学校で特訓してもらう?
実は,不合格と聞いて,麻友とその母親は山室高校にすごい不信感を抱いてしまった。
つまり,志望理由書をもっとしっかりと見てアドバイスしてくれていたら合格だったはずなのだと。
その不信感を持つ高校をこれ以上信頼して受験勉強をするわけにいかないとの判断で,塾や予備校を探しはじめた。
だが,この12月の時期に産近甲龍レベルの生徒を見てくれる塾はめったにない。
予備校の冬期講習はもっとハイレベルの生徒向けだ。
ところが,仲良くしている友達が通っているのは変人塾長が経営する大浦塾(仮名)。
そこなら入れてくれるかも・・・
すがる思いで大浦塾へ麻友はお母さんと共にやってきた。
そこで麻友は塾長に意外な言葉を浴びせられるのであった。
「それは,志望理由書をちゃんと書かなかった君が100%悪いのであって,学校は全く悪くないどころか,かなりよくしてくれていると思うよ。むしろ君はラッキーや。ちゃんと勉強して大学へ入る方が,将来のためになるから。」
親御さんも本人も,学校の不備で不合格になった被害者意識の塊だったのが,塾長に慰められるどころか,痛烈に今回の件について自省を求められたのだ。
しかし,学校のせいでうまく行かなかったなどと,自分のミスを他人のせいにしていつまでもウジウジしていては,今から受験勉強を開始したとしても全くエンジンがかからない。
どこも合格しなかったら学校を訴えてやるみたいなイジケた根性でうまくいくはずがないのだ。
それを聞いて麻友は目が醒めた。
たしかに,ちゃんと書かなかったのは自分だ。
そして,その日から大学入試にむけて1から受験勉強を始めたのであった。
毎朝6時から塾の授業。
1日中ずーーーーーーーーーーーーーーーっと勉強。
昔,一度は定期考査で覚えていたことを,徐々に思い出していく。
しかし,大学受験の内容は気が遠くなるような膨大な量だ。
来る日も来る日もひたすら覚え直し,演習,演習・・・・
3月,麻友は山室高校の先生が一様に驚く結果を出して,下記の文を書いて卒塾していったのである。
「あんな状況でこの塾に受け入れてもらえて今はとても感謝しています。あの時は不安でしかなくて,先生に君はラッキーなんやって言ってもらって,その言葉が心にひびいて,ここで頑張っていこうと気持ちを切り替えてがんばりました。家に居たら全然できてなかったと思う。今回は自分の力で手にした大学なので,大学では楽をしようとせず,勉強をしっかり続けようと思います。」
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