[2014年8月9日]
テレビもそうですが,新聞もかならずしも真実を伝えるものではありません。
中学生や高校生は報道されていることが真実であると思ってしまいがちです。
しかし,先日,報道史上ありえないくらいスゴイことが起こりました。
スゴイことなのに知らない人も多いと思います。
ここに報道の癌が潜んでいるのですが,どういうことか。
8月5日から6日にかけての朝日新聞の特集です。
なんと,読者の声に答えるという手法で,今まで書いた記事を取消したのです。
そういうちょっとごまかしたような書き方で,記事を取消し,しかもちゃんと謝らないという姿勢が問題ですが,その記事というのが世論をミスリードした大きな内容だったのです。
それを読者の質問に答えるという覆面をしながらシレッと済ませている姿勢は批判されるべきだとしても,まあ,誤りを訂正しないよりは良いわけで,訂正したこと自体がスゴイことなのです。
報道で「ウソでした」とは,めったに言わないですから。
断っておきますが,これは朝日新聞社だけを批判しているのではありません。
報道全般に同じような姿勢があるので,そこを明らかにしたいだけです。
さて,論文共著者が亡くなったという残念なことがありましたが,そのSTAP細胞の件で,新聞社はこぞって何を追及したのか。
論文をわざとねつ造したのではないかと疑い,似ていた写真を誤って取り違えるハズがないと著者を責めたてたわけです。
ところが,今回朝日新聞社が書いたのは,「記事を意図的にねじ曲げたわけではない」とか「よく似た言葉だったので取り違えた」という言い訳でした。
その新聞社(他の新聞社も似たようなモノだと思うので書いている)が,どの面下げて研究論文のことをとやかく言えるのだ?
全く同じことを日常的にずーっとやってきたのが日本のマスコミなのです。
冤罪報道もそうですし,写真を取り違えるなどはよくある話。
誤って取り違えたのならまだしも,わざと,都合よく見せるために違う写真を使用したことやいわゆるヤラセが時々発覚します。
あれは氷山の一角でしょう。
だからこそSTAP論文も報道各社が日常的にやっているごまかしをしていると思えたのではないでしょうか。
そう考えるとあの報道の追及の仕方が納得できるではありませんか。
このように,新聞もテレビも,真実を忠実に伝えるなどということはせず,どのように見せたらよく売れるか(TVなら視聴率がとれるか)という観点で報道しています。
報道の癌と書きましたが,要するに,そういう誤りはちゃんと報道されません。
自分たちに都合の悪いことは報道しなければ世間に知れ渡らないのです。
そして,他の新聞社がまずいことをしても,自分のところも似たようなことをしているので,あまり強く批判したりしません。(産経と朝日は結構やってますが)
今春,M渕とR塾で北野高校の合格数をめぐり,見苦しい攻防がありました。
あれを見て,大きな塾に幻滅する生徒や親が増えました。
結果として顧客をのがしているのに気付かないのが大手塾のアホなところでした。
報道各社はずる賢いので,自分たち全体の信用を落とすようなことはしないのです。
だから,もっと賢い国民は,そのことをよく知っておいて,話半分くらいで情報を聞いておいて,本当に自分に関係のある事柄は自分でいろいろ調べないといけません。
さて,重たい話でしたが,今日の日経新聞の記事でもウソが書いてあったので,指摘しておきます。
「ペルセウス座流星群13日見ごろ」
という見出しですが,大ウソです。
書いてはありますが,今年は月が出ていて明るいので,ほとんど流星は見えません。
都会では特に絶望的です。
よほどの天文マニアで,明るい流星が出るかもしれない,そのわずかな可能性にかけて徹夜できるような人なら観測に行くでしょうが,素人さんが楽しめるような条件ではないのです。
同流星群は毎年8月12日から13日に現れます。
昨年は月明かりもなく,条件は最高でした。
その場合には見ごろと書いてもいいですが,今年その記事を見て素人のお父さんがこどもを連れて行ったらどうなりますか?
「お父さん,全然流星見えないね。」
こどもはさぞガッカリして帰ることでしょう。
お父さんの信用もガタ落ちです。
世の中にわざわざガッカリを増やす必要があるのでしょうか。
昨年「彗星が見ごろ」という記事も見られました。
ブログにも書きましたが,よほど明るい彗星でなければ,素人さんには見えません。
記事を書く記者自身,彗星も流星も見たことがないのでしょう。
そうして真実とは程遠い内容を書いてしまうのです。
これはもちろん,意図的にウソを書いているのではないですが,結果的にウソが世の中に出回ることになります。
報道というのは,意図的にあるいは無意識のうちに真実でないことを伝えるものだと,賢明なブログ読者の方は再確認していただきたいと思います。
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