[2014年8月17日]
私立高校のパンフレットは,もちろん生徒を集めるためのものなので,いろいろと装飾が施されている。
中には全くのウソ,デタラメの類も記載されているが,入学してから話が違うと噛みついても遅い。
実際,どのように見ればいいか,例を挙げて検討してみよう。
なお,どこか特定の学校を貶めるつもりで書くわけではない。
どこでも同じようなものだという感覚で見てもらいたい。
1.校訓・理念・柱
うむ。校訓・理念・教育の柱がない学校もどうかと思うが,実際のところほとんど生徒には関係のない話だ。
よくあるのが質実剛健とかだが,「明星紳士」とか四天王寺の「気高く美しい女性へと」など,こういうお題目みたいなのがあった方が私学っぽくて良いのかもしれない。自分をつくる。世界をつくる。「志の教育」とか,国際理解,感動体験,自己実現が「3つの柱」とか,人間平等,個性尊重,心を育てる等等・・・
気に入ってるのは大阪高校さんの「あったかい学校」。暖房がよく効いてそうだ。
つまり,どうでもいい話。
これが重要だと言い張る方もおられるだろうが,それで学校を選ぶってことはまずないだろう。
どの理念も,悪いことないから。いや,むしろどれもすばらしい。
でも,あの学校の理念はダメだとか,こっちの方がはるかにいいとか,比べるものではない。
そういうことより,その理念が本物かどうかがわからないので,それで判断できないと言いたいのだ。
いいことを書くのはどんな学校でもできる。
すばらしいことを書いとけばいいのだ。
重要なのは,本当にそれが実践されているかどうか。
そんなもの,通学中の生徒や先生方に聞いてみたらいい。
あなたの学校の理念は何?
パンフレットに書いてある3本の柱って何と何と何?
聞かれてどれだけ即答できるだろう?
ほとんどの学校で半数以上の人間が答えに窮するはずだ。
ひどい場合,理念っぽく書いてあるけど,毎年コロコロ変わる場合もある。
ウチの学校の3本の柱は云々と書いてあっても,現場の職員がパンフレットを見て初めてその柱を知るというのがあるのだ。
入試部の先生がコピーライターといっしょに毎年考えてるとか。
で,それに答えられない生徒や教職員が多くても,いい学校はいいし,答えられたからといって口裏合わせてるだけかもしれないのだから始末が悪い。
本当に,全くいい学校かどうかと無関係なのだ。
要するに,パンフレットに氾濫している「良さげな言葉」は,すべて判断材料に全くならないということ。
そういう言葉が散りばめられていると,学校が良く見える。
イメージづくりしているだけなのだ。
賢い受験生と保護者は,そこは全く無視して他の情報を見るようにしたい。
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