[2014年8月28日]
夏休みも終わって,受験生はいよいよ入試に向けて学力を高めていく時期だ。
入試では合格者と不合格者に分かれるのだが,その合否は現時点での心構えですでに決まっているかもしれない。
つまり,入試に向けてしっかり準備できるか,単に思いつくままに自分のペースで勉強するかの違いで合否が分かれるのだ。
もう忘れかけているが,サッカーW杯で日本代表は「自分たちのサッカー」をやろうとして,それがさせてもらえずに予選敗退を喫した。
結局,レベルの高い世界では,自分たちに都合のよいサッカーをさせてもらえるはずがなく,W杯で勝つためのサッカーをしなくてはならなかったし,そういう準備をすべきだったというのだ。
受験生諸君は,それを教訓として,受験で合格するための勉強をしなくてはならない。
そのために,確実に押さえておくべきポイントが3つある。
☆その1:入試は制限時間内に解かないといけないこと
☆その2:入試は自力のみで解かないといけないこと
☆その3:入試は合格最低点以上の点数を取らないといけないこと
この3つのポイントからはずれることなく勉強を進めない限り,めっちゃラッキーで合格することはあっても,確実に合格するというレベルにはなかなかならない。
その1を意外に意識していない受験生が多い。
いかに時間内に高得点を取るか。
まずは時間無制限で解ける力もつけなくてはいけないが,その後はどの時間をどれだけ短縮できるかを追求しないといけない。
たとえば,私などは計算に費やす時間がもったいないので,7分の1=0.143やπの2乗は9.87と記憶していた。
自分の読むスピード,計算するスピード,解くスピード,書くスピードをしっかり把握しておくのが何より必要なのだ。
特にセンター試験の国語や英語で時間が足りなくて悲惨なことになる生徒が毎年何万人もいるのだ。ということは,毎年何万人もの受験生が時間を意識しないで勉強するという,何ともマヌケなことを繰り返しているのである。
試験の最後に見直す時間も含めて,試験時間以内に得点する練習をすべきなのだ。
その2:めんどうな計算に電卓は使えない。英単語を調べるのに辞書を使うことはできない。ましてや,これわかりませんとすぐに質問するクセのある人は,試験官に質問するわけにもいかない。自分の頭だけで正解にたどりつくように演習しておかないとダメなのだ。
とはいえ,学力がないのにめんどうな計算をすべて手計算でやり,知らない単語は辞書を引かずにすべて推測し,どうしてもわからないことを先生に聞きもしないのは合格することを放棄しているといえる。
たとえば,化学のめんどうな計算は電卓でやってしまってOKだ。たまに勘が鈍らない程度に自力でやっておけばよい。計算練習に5時間かけるヒマがあれば他に演習をたくさんやった方が得点は伸びる。長文中の知らない単語はなるべく推測しながら読むが,推測したことが正しいかどうか。あるいは,知っている単語も念のために辞書を引いて用法を確認するなど,辞書を引かない英語の勉強はありえない。ただし,試験当日には多くのことが頭に入っていることが必須だと心得て,学んだことはその場で脳に保存することが重要だ。
その3:これこそ全くわかっていない受験生&指導者が多い。満点を取る必要は全くなく,合格するのに必要な点数を取ることが何より大切。
難関大の問題を見て,こんな難しいのは解けないとあきらめてしまう生徒もいる。それよりも,得点できそうな部分を見つけて,それを積算して,合格最低点をクリアできそうなら十分に合格できるのだ
たとえば阪大の2次試験は難問が出題されることもあった。その問題を見てはじめから怖気づいて受験しなければ,合格できるはずがない。調べてみると,センター試験でボーダーラインに達していれば,2次の得点率が50%以下でも合格最低点に達するという年がちょくちょくあるのだ。得点できるところをきっちり得点する。そういう発想で,合格者の中で最低点でもいいから合格してくればいいのである。
実例=阪大2007
物理学科合格最低点478.3 センター配点250 二次配点700
仮に,センターで7割=175点取ったとする。
二次で478.3 − 175 = 303.3 点取れば合格。
303.3÷700=43.3%の正答率で合格したのだ。
センター7割と二次45%で合格できたこの年は特に低かったが,だいたい二次で55%取れるようなら合格の目がどの年でもある。
これら3つの要点をしっかり処理できる頭脳の持ち主が合格するのだと言って過言ではない。
模試の点数で一喜一憂したり,あきらめる生徒は落ちる。
そこをうまく手当てして本番までになんとかしようと頑張る生徒は合格する可能性が高くなる。
それだけのことだ。
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