[2014年9月17日]
金属というのは身近な至る所に使われていますね。
これは塾の黒板の留め金。
これはスチールラック。
金属を金属たらしめている性質の一つがこの金属光沢なのです。
しかし,これは磨かないときれいな光沢が出ません。
そこで磨き屋の登場。
先日の「プロフェッショナル 仕事の流儀」が,その磨き屋さんの話だったのです。
この番組は好きなのでよく見るのですが,今回は「あれっ?」という内容があったので,書いておこうと思います。
もちろん,主役の職人さんはすごい人です。
職業に優劣はないと言いますが,実際は金属の研磨職人などはかなり下等な職種だとみなされていたようです。
それが,この方の技術のすごさが,あのアップル社の目に留まり,音楽プレーヤーのピカピカの光沢を実現したとのこと。
さて,番組後半は後継者の指導の話になりました。
その中で,30歳くらいの職人にスポットを当てたのです。
ようするに,言われたことはできるし,慣れた仕事ならできるが,自分で考えて仕事ができないダメ職人なのです。
それを辛抱強く育てるという筋書きはいいのですが,最後にそのダメ職人が言った言葉がひっかかりました。
そんなダメな自分を辛抱強く指導してくれる親方に感謝する気持ちは当然あるでしょう。
恩を感じているでしょう。
だけど,このセリフが番組をぶちこわしたと思います。
「この会社と親方のために,一生懸命頑張っていきたい」
これは,番組構成上も,全くダメなセリフです。
わかりますでしょうか。
そんな風に考えているから,いつまでたってもロクな仕事ができないのです。
番組中もあったのですが,この職人が研磨すると顧客が要望した品質に達しないのです。
なぜなら,言われたことをやるしかできないからです。
顧客が本当に求めている内容を判断し,それをきっちり実現するのが仕事というものです。
さらに顧客がそこまで期待していなかったことをプラスアルファできるようになればOKでしょう。
それは,顧客がどうしたら満足するかをいつも考えている人にしかできないことなのです。
自分の会社のためにって,お金もうけですか?
恩人の親方のためって,その目線の方向が180度狂ってますよ。
上司の顔色ばかり窺って,肝心の顧客を見ないでどーすんの?って感じですね。
そんな人間は,一生プロフェッショナルにはなれないと思います。
ちょっと残念な番組構成でした。
にほんブログ村
にほんブログ村