[2014年11月13日]
これは先日阿武山中学校で実施された実力テストの度数分布です。
すこし歪な形をしています。
通常,試験の点数分布は,前に紹介した統計の本にあるように正規分布という形になります。
平均点付近の人数が多くて,平均から離れるとだんだん人数が減っていくのが普通の分布なのです。
ところが,この中学校の分布にはピークが2つあるように見えます。
こういう状態を「二極化」と言います。
要するに,できる人の集団とできない人の集団の2つが混ざっているという分布です。
ひょっとして,塾に行ってる人と行ってない人で集団が分かれている可能性もあります。
これが良いことか悪いことかは別の問題であって,たとえば勉強を主体に生きていくか,他のものを主体に生きていくかの人生観の違いが反映していると見ることもできます。
さて,それはさておき,阿武山中学というのは高槻市の中でも極めて学力の高い中学校です。
ですから,学校の平均点くらいであれば,世間一般では偏差値が55くらいに相当すると思われます。
実際,Vもしで偏差値が50くらいの生徒さんは平均点よりも50点低いです。
一方,他の中学でVもしの偏差値が45くらいの生徒さんが,その中学の実力テストでは平均よりもかなり上だったりもします。
おそらく,その生徒が阿武山中学で実力テストを受けたら平均点より100点くらい低い可能性すらあります。
それくらい中学校の学力レベルの差が開いているのが,我々のように塾で生徒と接していると見えてきます。
かねてからアナウンスしているように,今回の実力テストの結果が私立高校の事前相談に使われます。
学校ごとに,実力テストの平均点より何点多いので○とかいう基準が決められています。
たとえば,特進コースの専願なら平均プラス50点で○。
併願ならプラス70点で○となるのです。
これって,阿武山中学校は不利なんじゃない?
そう,たしかに,平均点プラス何点という基準だと,同じ偏差値でもかなり不利になります。
偏差値50あれば,某中学だと平均点プラス50点くらいはカンタンに取れます。
阿武山中学だと平均点より低くなってしまいます。
実際は,たとえばさきほどの例だと,阿武山中学の場合は特別に平均点プラス30点と50点で専願,併願の合格にするなど,20点くらい割引してくれます。
それでも,実態は100点以上差があるのに20点ではその差は埋まりません。
このように,私学の合格基準は阿武山中学の生徒にとっては厳しいものになっているのが現状です。
同様のことが内申点にも言えます。
阿武山中学の生徒はそのことも踏まえて,より一層頑張らないと志望校に近づくことができないのです。
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