[2014年12月1日]
では,高校では定員の扱いはどうなっているのでしょう。
ちょうど先日,大阪府立高校の定員が発表されました。
茨木高校と三島高校の後期選抜で,昨年より40名募集人員増ですね。
公立高校では,募集人員ピッタリの合格者を出します。
合格すればほぼ100%の生徒が入学するからです。
そして,それを10%も20%も超過して入学させることはしません。
学級数もきっちり決められています。
したがって,募集200名の学校に199名しか出願しなければ,全員が合格します。
極端な話,全科目0点でも合格します。
逆に,募集200名の学校に210名が出願すれば10名が不合格になります。
ところが,私立高校はエゲツナイことになっています。
たとえば,関西大倉では定員355名のところ入学したのは412名ですから,定員充足率は116%です。
よほど人気のない高校でなければ,このように充足率が100%を越します。
去年,おととしは,さらに私立高校に生徒が集まって,もっと充足率の高い学校が目白押しでしたが,少し落ち着いてきた感はあります。
それでも,私立高校の定員というのはあってないようなもので,多く来てくれる(授業料を持ってきてくれる)のは歓迎なのです。
かといって,あまりにも学力が低いとか素行不良の生徒はお断りです。
あくまで,問題のない生徒であれば,定員をオーバーしていても合格させるのが現状です。
さて,これが良い事かどうかですが,やはり定員というのは,その人数ならば予定した教員配当で授業ができるということです。
それよりも1クラスとか多くなってしまった場合,新たに教員を雇い入れないといけません。
考えてみて下さい。
定員を超過するかどうかは,出願の時期にならないと確定しません。
実はおよそ事前相談でわかるのですが,それでも年明けです。
その時点で定員よりも多く入学することがわかった場合,私立高校は教員を募集しないといけないのです。
ところが,そんなに優秀な先生が次年度の働き先もなくぷー太郎しているはずないですね。
うかつな高校は,2月になってあわてて教員を募集します。
そして,トンデモ教員をつかむ可能性が出てくるのです。
どの高校も採用しないような教師がたくさんいます。
そういう人が応募してきます。
特に不足している科目の先生なら,大臣などが行うような「身体検査」をちゃんとやらずに採用してしまうのです。
(身体検査って,身長や体重を測るのではないですよ。政治用語で身体検査っていうのがあって,前職で不正なことして逮捕されていたり,いかがわしい仕事をしていなかったかどうかの検査のことをこのように言うのです。)
かくして,定員超過の学校は,必ずと言っていいほど問題のある講師を採用してしまいます。
だから,私学だからといって,教員の質が公立より良いとは限りません。
むしろ,優秀な人材は公立高校の先生の方が,圧倒的に多数です。
何が問題かというと,特に大阪府立や市立高校の優秀な先生がやる気をなくし,能力を発揮できないような体制です。
本来は,公立高校に優秀な生徒と教員が集まるべきで,それがなされているのは大阪では20校くらい(近隣では北野,茨木,千里,槻の木くらい)だというのが現状ですね。
にほんブログ村
にほんブログ村