[2014年12月16日]
何度か書いているが,ウチの塾では生徒に教材を出すのを料理を出す感覚でやっている。
料理は生徒が注文をするのではなく,こちらが食べさせたいものを出すという,本来はありえないタイプの食堂だ。
賞味期限が切れそうで早く処分したい食材を使った料理とか,輸入物で非常に安く手に入る冷凍食品とかを食べさせるのかと疑われるかも?
だから,知らない人が見ると非常にあやしい塾ではある。
数学がしたいので,数学をお願いしますと言われても,その要求には屈しないのだ。
これは,肉が好きなので肉料理をお願いしますと言うのとは少し違っている。
というか,むしろ逆だ。
ピーマンが嫌いなので,ピーマンをお願いしますとは言わないだろうからな。
ウチの塾は,その嫌いなピーマンをいかにして食わせるかを考える。
いや,いうほど考えない。
どっちやねん?
たとえば,であるが,ピーマンを食べないのなら,無理矢理食べさせるとか。
よほどアレルギーがあるのでなければ,とにかく食えと言って食わせる。
これが,家庭で出てきたら絶対に食わない。
そこに甘えがあるからだ。
「お母ちゃん,オレ,これ嫌いって言ってるやん!絶対食べないからね!」
と言って,手もつけずに残すにきまっている。
ところが,ウチの塾では,コワーい塾長先生がいるから,食わないわけにはいかない。
そういう部分で,ウチの塾はとにかくバランスのよい食事を強制的にさせることができる空気を持っている。
とはいえ,こちらもただ食べさせるのではなく,一応おいしく食べられるような工夫をしたり,より栄養が抽出できるように加熱したり加工することはある。
直後にお口なおしの甘いものを出すことはめったにない。
あくまで栄養重視だ。
よく,お母様方と話をしていると,やはり家事が忙しいという。
中でも食事を毎日考えるのがめんどうだともいう。
めんどうというのは,それだけ気を使っているということの裏返し。
ちゃんと栄養も考えて毎日毎日つくらないといけない。
もしも,その食事を外注できたらどれだけ楽だろう。
しかし,実際に食事を毎日外注することはしないだろう。
それでよいのである。
食事は,やはり子供のことを一番大事に考えているお母さんがつくるべきなのだ。
さて,ところが,どういうわけか,お母さんの仕事ではないのに,いらんことをするお母さんが多いのだ。
それは子たちに勉強させようとすること。
これにお母さんが手を出した家庭は不幸のはじまりだ。
せっかく母親がつくってくれた料理も,それが原因で不味くなる。
親が子たちに勉強させたければ,それは外注すればいいのである。
もちろん,学校だけでも一応はすくすくと育つ。
さらに伸ばそうとすれば,プラスアルファを専門家に任せる方がよいのだ。
植物を育てるのは難しい。(よく知らないので,たぶん)
単に,水をやって,日に当てていれば,普通には育つ。
これが学校でやっている部分。
それが,すごく甘い果実にするとか,商品になるレベルにしようとすれば,いろいろな工夫が必要になるだろう。
水もたくさんやればいいというものではなかろう。
むしろ少ない水の方が甘くなるとか。
肥料もその植物に合ったものがあるだろう。
温度管理が必要かもしれない。
そういうことは,プロがやる方がいいに決まっているのだ。
そのような,受験生を伸ばすいろいろなノウハウを持っているのが塾や予備校だったりする。
さて,ここから本題。
(えっ?今から?)
すごーく甘くて美味しい果物って,それなりに高価なのだ。
自分の子が,すごーく優秀になるための塾って,そんなに安く手に入ると思われるだろうか?
たとえば,医学部専門の予備校などは,年間に500万円とかそれ以上かかる。
優秀な講師がマンツーマンで徹底指導するからだ。
だからといって,マンツーマンだからすごく良い教育が受けられるとは限らない。
そいつ自身がちゃんと勉強したこともないような大学生講師が横に何時間ついてくれても,ほとんどマイナスの空気を感染させるだけで意味がない。
本当に辟易するのが,ウチの塾でも時々あるが,「ウチの子は個別に見てもらうのがいいと思いまして」という入塾理由。
いや,確かに個別に見てますが,集団授業の塾でも優秀な講師がやっていれば個別に見ているのだ。
講義は一斉にしても,個々の理解力を把握しているし,演習内容も個別に見ているのだ。
個別に見てもらえるかどうかは,形ではないのだ。
看板に個別指導と書いてある塾が,今はほとんどだ。
それにつられて入塾するアホな生徒,入塾させるアホな保護者が目当てなのだ。
本当に腕利きの講師が生徒2名に1人張りついて指導して,そんな値段でやってもらえると思うのがおかしい。
そんな値段といっても,たとえばウチの塾よりもだいぶ高いので,高額を支払っている気がするかもしれない。
いやいや,本当にちゃんとした個別指導を受けるなら,月に10万円とかでは無理なのだ。
それよりはるかに安い金額=月に7万とか8万円を支払って,質の悪い講師が横についている「個別指導」をご購入されるアホな方々が世の中に非常に多いことになっている。
高級食材の値段はよく知らないが,普通には買おうと思わない値段だろう。
塾にそれなりのものを求めるなら,普通に世間の人が考えているのよりも,はるかに高額の月謝が必要だと認識された方がよい。
以上,塾を検討中の賢明な方々へ,ご忠告まで。
「すでに個別指導塾に入られた方は読まないでください」と,冒頭に書くべきだった・・・
ウチの塾の今朝の風景。
朝ごはん食べるみたいに,個々に応じた朝演習している。
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