パソコン版を見る

尾崎塾
富田教室

[2015年1月9日]

大学入試リテラシー

生徒たちは,大学入試について知らないことが多すぎる。
あまり戦争などに例えるのはどうかとも思うが,敵を知り、己を知れば、百戦危うからずというように,相手をよく調べることは重要なのだ。

特に,国公立大学を相手に挑もうとするのなら,相当にややこしい。
センター試験をあと1週間に控えた今でさえ,センター試験を受けた後のスケジュールが全くわかっていない生徒が多数いるのだ。
さらに,私立大学を滑り止めに考えているくせに,私立大学の入試を調べもしない。
私大入試も相当にややこしいのだから,出願の仕方をしくじると,合格できるはずの私立大学にさえも合格できない可能性が出てくる。

具体的には,たとえば阪大をめざして頑張っているとする。
それはそれでいいのだが,センターテストで大きく出遅れてしまうことが十分に考えられる。
そしたらどうするの?
だったら神戸大なら合格するかというと,そんなことは全くないのだ。
むしろ,神戸大の方がセンター試験のウェートが高いので,合格可能性が低かったりするのだ。
これは傾斜配点といって,大学あるいは学部学科ごとに配点が異なるので,センター重視だったり2次個別試験重視だったりするのと,出題内容が逆転が起こりやすい内容なのかそうでないのかなど,微妙にいろいろな要素がからんでくるのでそうなる。

大まかに基本路線はこうだ。
センターで高得点→神戸大は2次逆転が起きにくいので逃げ切りやすい
センターで大きく出遅れ→阪大は2次逆転が起きやすいのでチャレンジして成功する場合も多い

しかし,私立大学を押さえずに国公立大だけだと,不合格の場合は浪人決定となる。
個人的には浪人という選択肢は悪くないと思うのだが,どうしても現役でというのなら,私立大学にどこか合格しておかないといけない。

そこで,関西なら関関同立くらいに行きたいと思うだろう。

それはそれでいいのだが,関関同立レベルになると,やはり当日の出来不出来によっては不合格は十分にありうるのだ。

すると,浪人が決定してしまう。
いや,浪人は悪くないと思うのだが,絶対に浪人したくないのであればさらに産近甲龍レベルもしっかりと受験しておくべきなのだ。


それなのに,今日の時点で高校に調査書を申し込んでも,連休があるので,出願締め切りに間に合わない可能性もあるのだ。

今日,とある公立高校の生徒が学校の先生と私立大学について面談をしたそうだが,結局よくわからないので塾の先生に聞いてくれというまさかの結論になったそうな。

いやちょっと待って下さい。
今日だと私立大学の出願に間に合わない可能性があるのに,今日懇談してはだめでしょう。
昨年のうちにある程度やっとかないと。
このあたりに私立高校と公立高校の進路指導の差が出てくるのだ。

私立高校では,少なくとももう少し大学入試のイロハを高校2年生くらいからレクチャーしていく。
最終段階で何をすべきかも,ある程度イメージして受験を迎える生徒が多い。
ところが公立高校の生徒は,周囲の生徒も何も知らず,自分も何も知らない。
そして,学校の先生も昨今の入試動向をよく知らないという,大学受験がどのようなものかを全く知らない人間ばかりの空間が公立高校なのである。

ちなみに,私立高校の先生方がみんな大学入試に精通しているかというとそうではない。
ざっと10人に一人くらいはちゃんと指導できるかも。
そんなものだ。
恐ろしいのは,ちゃんと指導できるかどうかは,生徒の側から見破るのは非常に難しいという点。
教師たちは自分をあたかもそのことをよく知っているように見せかけるプロだから。

国公立大でいうと,このように聞けば見分けられるかも。
「このあたりで文系で受けられる中期日程の大学ってどこがありますか?」
こう聞いて答えられない先生が10人のうち9人だということ。

そんなこんなで,センター試験が終わってまずすることは,自己採点を正確にすることだ。
例年,自己採点と開示された実際の点数が大きくずれている生徒がいる。
それでは正しく受験校を考えることができないのである。

センター試験の数日後,水曜日の夜くらいから各予備校のリサーチシステムが稼働するので,それを使って受験校を絞り込んでいく。

まあ,ほとんどの生徒は当初の志望校を受験できないのでそのつもりでいないとダメなのだ。
センター試験はそんなに甘い試験ではない。
実力がついていない部分はしっかりと点数でバレてしまう。

よくセンターで実力が出せるか心配する人がいるが,全く心配ないのである。
センター試験で取った点数こそが真の実力なのだから。
実力を実力どおり判定してもらう。
ただそれだけのこと。

実力以上の点数をもらおうとするバカな奴は,そう思うから緊張したりする。
そして悲しい点数を取る。
それが実力なのである。

そういうことで,大学受験は受験生がしっかりと内容を把握し,自らの力で合格をゲットしていくイベントなのだ。

しっかりと自分の受験を掌握して頑張ってもらいたい。


img2 img1




にほんブログ村 受験ブログ 高校受験(指導・勉強法)へ
にほんブログ村


にほんブログ村 科学ブログ 地学・地球科学へ
にほんブログ村