[2015年1月14日]
ラブジョイ彗星という彗星がおうし座に見えています。
昨日,写真を撮ってみました(^o^)
↓↓↓
薄い尾が西へ伸びています。
彗星の本体=核といいます はこのようにきれいなブルー〜グリーンに写ることが多いです。
一般に尾は黄色っぽいダストの尾と青っぽいイオンの尾がありますが,この彗星はダストの尾があまりなく,薄いイオンの尾がかすかに写りました。
こういう写真を載せると,「これってどうやって撮るの?すごーい!」という反応が多いのですが,言ってしまえば誰にでも取れます。
天文台のすごーい望遠鏡でなければ撮れないシロモノではないのです。
見るだけなら都会でも双眼鏡でカンタンに見られます。
えっ,ウッソーと言われそうです。
・・・
実は,・・・
うそ,です(@_@;)
いや,ホント,
いやいや,
ウソです。
どういうことか説明します。
今,この彗星はおうし座にいます。
位置関係は下の写真の通り。
少し星を知っている人なら,おうし座の1等星アルデバランは見つけられると思います。
そして,小さな星が6個とか7個集まって見える「すばる」も有名なので見つけられると思います。
それらの星と,ラブジョイ彗星でほぼ正三角形になっていますね。
そして,明るさもだいたい4等星ぐらいの印象でしたから,都会で肉眼で見るのは街明かりの関係で見にくいですが,双眼鏡なら見えるのです。
でも見えないのです。
ウソだと思ったら,双眼鏡をそのあたりに向けて見て下さい。
きっと見えませんから。
理由の1つは,このブログを読んだ今日は曇ってるし,明日か明後日に晴れたとしても,彗星はそこにいませんから。
すごく勘違いする人がいるので,念のために申し添えると,彗星と流星は違うモノです。
彗星の写真を見て,「よく撮れましたね?」と聞く人の2人に1人は,私がすごい反射神経の持ち主で,流星のように速いモノをすばやく見てカメラを向けてシャッターを切りながら手で追いかけて流し撮りしていると思っておられます。
ンなアホな・・・
さて,流星ほどではないのですが,彗星は太陽系の中をかなりの速度で動いていますから,翌日に見ると結構位置が変わっています。
お月様が毎日位置を変えるように,日に日に動いていくのです。
だから,あらかじめその日の位置を確認する必要があるんです。
これが第一の理由。
ですが,仮に位置がちゃんとわかっていて,双眼鏡をその付近に向けたとしても,おそらくほとんどの方には彗星は見えません。
なぜでしょう?
要するに,見たことがないからです。
おわかりでしょうか?
人間は見たことがないモノは見えないのです。
たとえば,さっきの写真を見てから双眼鏡を覗いたとします。
おそらく,多くの人は,あの写真のようなきれいな青緑に輝く物体をさがすと思います。
でも,実際にあんなに色づいては見えません。
カメラで数十秒時間をかけて光を集めているからあのようにクッキリと写真に写るのです。
それに,都会では街明かりにかき消されて,尾はまず見えません。
今回のこの写真は和歌山県まで行って撮ってきたのです。
したがって,彗星の核(本体)が白く小さく光っているので,ほぼ暗い普通の星と見分けがつかないのです。
だから,いくらさがしても見つからないのです。
しかし,彗星を見慣れている私などが見ると,明らかに他の星と異なる特徴があるので,彗星だとすぐにわかります。
これについては,言葉では説明しにくいのですが,明らかに違って見えます。
一度見てしまえば,次回からはおよそこのように見えるとわかるので見つけられるかもしれません。
そういうものなのです。
というわけで,彗星を見つけて写真を撮るのは難しいといえば難しいですが,カンタンといえばカンタンなこと。
普通のカメラと暗い空があれば撮れたりします。
ただ,キッチリとした美しい写真にするには,星を追尾する赤道儀という機械も必要ですし,画像の処理もしないといけません。
誰でもすぐに入門できるのですが,奥が非常に深いのが天文という趣味ですね。
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