パソコン版を見る

尾崎塾
富田教室

[2015年2月18日]

槻の木高校の先生方へ

槻の木高校で,このような文書が配られました。

img1
一見すると,何でもない指導通知に見えます。

一般的には,熱心に指導してくれているんだなーと,好意的に受け止める人も多いでしょう。

ところが,私はここに重大な教員の弱さが隠れていることを見抜いています。

今日はその点を詳細に論じます。

一見すると,よい指導をしているように見える点が根深いのです。
巧妙な手口と言えます。
ですが,心ある教員の方が胸に手を当ててよく考えると,私の言いたいことがわかってもらえると信じて書きます。
教員の方は覚悟して読んで下さい。

このような指導は,槻の木高校だけでなく,全国の多くの学校でなされているのです。
ですから,この高校だけがダメ教員の集まりだというのではなく,むしろ槻の木高校の教員であれば,少しはマシな先生も多いだろうと期待して書きます。
他の学校なら,もっとひどいことになっていることは想像できると思います。

どういう内容かを整理します。

先日行われた第二中間考査で,複数科目で成績が思わしくなかった生徒は,強制的に放課後残って勉強して帰れという通達が出たのです。
「原則として,欠席は認めない」という文言を付して。

img2

このことで,生徒は放課後に有無を言わさずに残らされ,自習をしなければなりません。
ただの自習です。
それを5日間続けます。
そのことで,成績の悪かった科目がよくできるようになればすごいですが,実際はそんなわけないのです。
次回の試験では,そうやって残らされるのが嫌だから,もう少しちゃんと勉強するという効果によって,成績が少しマシになります。


こういう図式です。

成績が悪い→残って勉強させられる→それを避けるために勉強をする

罰を与えられるので指導に従うという意味では,体罰と何ら変わらない発想がここにあります。

教員の意図が何かわかるでしょうか。
成績不振者が続出すると,その科目あるいは担任,学年は何やってるんだという風当りがあります。
教員はそれをまず避けたいのです。
とりあえず,今までよりも勉強時間を増やすことによってそれをクリアさせようとしているのです。
ですが,放課後に5回残ったからと言って,その勉強する時間の成果で学力がついて,それで次回の試験をしっかりクリアするわけではないのです。
あくまで,生徒にとって,実質その時間は何の指導もしてもらえません。
自習です。
教材は各自で用意することと書いてあります。
そして,いちいち教員がその勉強内容をしっかり見てアドバイスするようでもありません。
ようするに,放課後残されるという罰を与えられているのです。
この事実は,教員がいくら否定してもダメです。
実質,残すという罰を与えているのですから。
そして,それが嫌なので,試験の前には今まで以上に勉強時間を増やすから,一見すると,この罰を受けた生徒は成績が回復するように見えるだけです。

このことで,何も考えていない若手教員はちょっとうれしいのです。
指導した結果,生徒の成績が回復するのですから,何かよいことをしてあげた気分になるのです。
実質,罰を与えただけだということに気付いている教員はいるのでしょうか。
それがわかっている教員もいるはずです。
その教員の方が狡猾で悪質です。

保護者は,この指導をありがたいと思っているのでしょうか。
熱心に自分の子を指導してくれて,そのおかげて単位をしっかり取れて,ありがたいと思っているのでしょうか。
まあ,そのように思う親がいても不思議ではありません。
学校・教員側は,特別にそのような指導をしてあげていて,むしろ親には恩着せがましく対応するのです。
熱心に指導していますという風に見えるだけに,それを利用して熱心に指導している風に見せることに成功しているのです。

よく考えて下さい。
この指導のどこが熱心なのでしょう?
普段の学習指導の不行き届きの結果,試験で点数を取れない生徒を出してしまったのは教員なのです。
質の悪い授業をしてしまった結果かもしれません。
心ある教員が試験の前に,ちょっと理解の足りない生徒を個別に呼んで声かけして指導してあげたら,前回の低い点数にならなかったかもしれないのです。
あるいは,日日の授業の教材研究・指導内容の研究が十分だったかの反省はなかったのでしょうか。
そこを改善することで,次回のテストでは一人もこぼさずに指導しきるという方向に頭は向いているのでしょうか。

放課後の強制指導によって,成績が回復するという麻薬によって,本来やるべき教科指導の改善・反省がおざなりになっている可能性があるのです。
学校は,このような指導をずーっと前からやっていると言います。
ということは,この指導の上に胡坐をかいて,根本的な指導の改善に向かう意識が欠けてきていると考えて間違いないでしょう。
マンネリ化という思考停止。
現状に甘んじるのは普通に起こることです。

さらに,こういうことも。
もしも留年という事態になったとする。
おそらく保護者から,どういう指導していたのかと質問される。
でも教員は,「いえ,ちゃんと本来やっていない放課後の指導を特別に案内したのに,それでもできなかったのですから,我々に責任はありません」といい逃れることができるのです。

このように後で犯人扱いされないように指導した実績・証拠を残すことを私は「アリバイづくり」の指導と呼んでいます。

どうですか,槻の木高校の先生方,そんなことは全くないと胸を張って言い切れますか?
どうか私のこの話をしっかりと胸に刻んで,安易に罰を与える指導をすることで,単位認定できるかどうか,その境界のめんどくさい業務から逃げることができ,しかも,保護者からはむしろありがたいと思ってもらえるという,この巧妙なやり方から脱却して欲しいのです。

もう一つこの指導の腐った部分を指摘しておきます。
生徒を人質にとっている点です。
保護者と生徒は,学校に単位を認定してもらわないことには,高校卒業という重要な資格を得ることができません。
ですから,少々のことがあっても先生に逆らわない方が賢明だという判断をします。
親が何か学校にクレームをつけると,自分の子が何らかの報復を受けるかもしれないという恐怖を保護者に持たせた瞬間に,それは人質をとっているのと同じことになるのです。

最近世界を震撼させている人質をとる犯人と,まったく同じ手口で,保護者からのクレームを回避するということが多くの学校で行われているのです。
したがって,今回の放課後学習を拒否することは,よほどのことがない限り不可能です。
たとえば,普段はその曜日に何か習い事をしているとします。学校の部活ならまだしも,その生徒の将来のために個別に習っているレッスンがあるとします。
放課後学習に出るとそのレッスンをキャンセルしないといけないとしましょう。
そのレッスン料はどうしてくれるのですか?
高額なレッスンもあるでしょう。
それを,無駄にしてでも放課後学習には行かざるをえません。
なぜなら,単位取得という「命」と引き換えにする雰囲気を文面に漂わせているからです。

img3

ご丁寧に,校長名で文書が出ています。
「この文書の内容に従わずに,単位を落としても知りませんよ」と校長が言っていると読めるのです。

このように言うと,きまってこういう答が返ってきます。(実際に返ってきました)
「いえ,『原則』として欠席は認めないと書いてあって,文書でやむを得ぬ事情を書いて提出してもらったら,欠席することが可能なようになっています」と。
そこが本当に公務員的な逃げ口上なのです。
たしかに,親が理由をちゃんと書いて提出すれば放課後学習を回避できるでしょう。
しかし,それは親が「自分の子は休ませますので,それで単位が不認定でも一切文句を言いません」と一筆書いたのと同じ値打ちがある文書を,学校側は手に入れることができるということです。
はっきり言って,ここが非常に悪質かつ巧妙なのです。
そこまでして,親がこの放課後講習に行かせないという決断をするのは,相当に勇気がいります。まず,普通の保護者なら不可能です。さきほど書いたようなレッスン料は,それがいくら高額であっても黙って無駄にしているはずです。
そのことを学校側は何とも思っていないのです。
そこを配慮できないというのは,公立高校としては,あるまじき行為と言わざるをえません。
直接に,保護者の家庭に金銭的に損失を与えています。

それでも学校は言い張ります。
それでお子さんの単位が不認定になってはいけませんから,と。
この単位認定の前には,誰も文句を言えないということを知り尽くしているので,学校は最後にはこの一言で納めてしまいます。
水戸黄門の印籠みたいなものです。
このセリフを真正面からおかしいと言う人は今までいなかったでしょう。
その病的な感覚麻痺状態を私は見抜いているので,今回指摘しているのです。

どうか,この生徒の単位を人質にとり,学校の教育内容そのものに目をむけず,安易に生徒に罰を与えることで成績回復を一見為しえたように見え,保護者あるいは外部からも熱心な指導をしていると錯覚してもらえるという,巧妙な手口による教員の保身行動をやめて下さい。
ここまで言葉を極めて書かないとなかなか理解してもらえないほど,本当に外部からは見えないカラクリをあばいてみました。

ちなみに,どこの学校も,教師も似たようなものです。
繰り返しますが,槻の木高校の先生なら,このような安もんの私立高校がするような指導の恥ずかしさを理解してもらえると少し期待して書きました。
img4
このブログを印刷して,槻の木高校の職員会議で取り上げてもらえるならいいですね。
しかし,あまりに図星すぎて,みなさん引いてしまうでしょうか。

また,私の塾の塾生が人質にとられているにもかかわらず書きました。
おそらく学校で嫌がらせをされることはないと思いますが,可能性は0ではありません。
その生徒さんと保護者の方には申し訳なく思いますが,世の中のために書かせてもらいました。



にほんブログ村 受験ブログ 高校受験(指導・勉強法)へ
にほんブログ村


にほんブログ村 科学ブログ 地学・地球科学へ
にほんブログ村