[2015年2月19日]
図形の問題で悩んでいる生徒が質問してきました。
こんな問題。
折り返した図形の問題で,角EFCを求めなさいというもの。
まあ,一見してパッと答がわかるような問題ではないですが,質問した瞬間の生徒の様子を見て,すぐには解き方を教えないようにしています。
その生徒,どう見ても,解いているノートにその図形を一度も自分で描いていないのです。
そして,問題集に載っているその図に直接チョコっと書き込みをして,それを見てウンウンうなって考えています。
そんなん,できるわけないって!
この問題に限らず,数学にも限らず理科などもそうですが,問題の横に印刷されている図とは別に,自分の手で図を写して,その図にいろいろと書き込みをしていかないとダメなのです。
できる人とできない人の決定的な差がこの「自分で図を描く」という点です。
というわけで,質問した生徒は,まず,自分で図を描くことをさせました。
それで,既知の事項をすべて図に記入させます。
さらに,求める角をたとえばxなどと置いて,式を立てられるだけ立てるように指示。
合同や相似があるので,いろいろ立式できそうなので,それをまずやるべきなのです。
それで解いてもらって,その生徒曰く,
「ゼロになりました!」
これはある意味正解です。
求める角がゼロって意味ではなく,消えてしまって,x=xみたいな式になったってこと。
x−x=0になりました。
じゃあ,他の手をさがすために,補助線引くように指示。
それも,ひとつの図に補助線描いて,うまくいかなかったら,あらためて新しい図を描いてそれに次に思いついた補助線を描くように指示。
指示しないと,ほんとにズボラして,前の使えなかった補助線が残ったままの図にどんどん線が増えて見にくくなる。
それから,消しゴムで消すなど論外。
消しゴムって,演習しているときには使わなくてよいと思うのだが,塾生はたくさん消費する。
困ったものだ。
いちいち言わないけど。
さて,それで,新しい紙にやっと自分で図を描いて補助線を考えだしたところで私はサヨナラバイバイ。
要するに,その問題の解き方は全く教えないのです。
図を描け,式立てろ,線引け,だけ。
こんなの,どの問題でもそうすればいいという話。
結局,その生徒が数分後に描いた図がコレ。
ちゃんと自力でできてます!
最初から質問するなって話です。
矛盾するようですが,この生徒のように質問していいのです。
というか,質問したからこそ,この図形問題の作法・手順を再確認できたわけです。
ちなみに,この生徒,ウチの塾ではよくできる方の生徒で,茨木高校を受ける予定です。
そのレベルでも,なかなか基本動作というのは身につかないのです。
この作法=問題のところに印刷されている図には一切書き込まず,改めて自分で図を必ず描いて考える。
これは,大学受験生でもよく注意されます。
それほど身につきにくいことなのですが,ぜひ実践すべきことです。
よーく心に刻んでおいてください。
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