[2015年3月31日]
先日,桐生くんが9秒87というスゴイ速さで走りましたが,残念ながら追い風参考記録でした。
追い風が2m以上だと公認されないのです。
当日は3.3mもの追い風だったとか。
世間ではスゴイ記録だと言っていますが,追い風が1mあれば記録が0.1秒縮まるとも言われています。
だから,追い風2.3mの,それでも公認されない場合でも9秒97ですから,おそらく2m以内の風で公認タイムならやはり10秒切っていないのではないかと思えます。
ここまでの前フリ,理解できましたか?
さて,昨日,高3になる物理選択者を集めて力のつりあいの授業をしました。
等速で飛んでいるジェット機の推進力と空気の抵抗力,揚力,浮力,重力をすべて図示しなさいという問題をやってもらいました。
みごとにみなさん,推進力を抵抗力よりも大きく描くのですよ。
それよくある間違いです。
等速で飛んでいるということは,推進力と抵抗力がつりあっているのですから,同じ大きさなのです。
力がつりあった状態で前方に時速1000kmもの速さで飛ぶのですよ。
考えてみて下さい,飛行機の翼の上に立ってみて下さい。
どうです?
いや,ジェット機の翼に立つのは無理でしょ?
すごい風が前方から吹き付けて,軽い人間なんか簡単に吹き飛ばされますよね。
それくらい,すごい空気抵抗を飛行機は受けながら飛んでいるのです。
さて,成績が上がらない子は何もエンジンを止めているのではないのです。
ちゃんと頑張って燃料燃やしています。
時速1000kmで頑張っているのかもしれません。
でも,
「オイ,さっきから速さが増えないじゃないか!どないなってんねん!」
と怒る乗客がいたらたまったものではありませんね。
いいですか,人間でも飛行機でも自動車でも,速く動けばそれに応じて(ほぼ比例して)抵抗力も増すのです。
だから,エンジンを吹かして加速しても,すぐに抵抗力が追いついてある速度で一定になるのです。
それ以上速度を上げるには?
仮にフルスロットルにしても,それに応じた最高速度で速度は一定になります。
抵抗力もMaxになるからです。
終端速度ともいいます。
今日は物理の話で,難しいですね。
というわけで,勉強も同じで,目一杯やっていても,レベルが上がれば内容も難しくなっていくので,成績はある一定値で変化しなくなります。
それ以上伸ばすには,根本的に何かを変えないとダメなのです。
そうですね。
塾を変えるのも手かもしれませんね。
特に,体験授業で,他の塾生を引き抜くために,
わざと後ろから扇風機で追い風をつくっておいて,
「ほら,こちらの塾だとこんなに速く走れるようになるよ」
などというカラクリに後で気づいても遅いですが・・・
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