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尾崎塾
富田教室

[2015年4月11日]

本当の集中とは

今日,入塾問い合わせに来た生徒から,こんな質問があった。

「踏み切りの音が気にならないですか?」

うーん,まあ,ごもっともな質問だが,この質問をするのは本物の集中ってものを知らない証拠なのだ。


つまり,その質問の答は,ウチの塾生に聞いてみたらいい。

ほとんど全員が「気にならない」と答えるだろう。


なぜなら,勉強するのに,踏み切りや列車の通る音や,前を通るバスの音や,選挙カーの音は関係ないからだ。

先日書いたように,業者さんが入ってきても,誰も顔を上げないのはそういうことなのだ。

ところが,集中しているので,勉強に関係のあることにはしっかりと感じている。
授業は90分なので,そろそろ時間かなとか,終了の音にはちゃんと反応している。
先生の声かけにも答えるし,問題を解くその1点にだけ集中しているのではないのだ。

本当の集中というのは,1点だけを考えてその点に集中する,フォーカスするというのではなく,広く周囲にセンサーをめぐらせて,自分の今やっていることに関係のあることを全て感じられるようにしている状態のことだ。
だから,業者さんが入ってきても,その音が自分に関係があるかないか区別できて,いちいち顔を上げないで済むし,踏み切りの音なんかいちいち反応するはずがないのである。

もう一度書く。

周囲の状況を全身で感じ取って,必要な情報を取捨選択できる状態が集中している状態だ。

これは多くの人が全く勘違いしている。
集中というのは,他の情報をすべて遮断している状態と思っているだろう。
そういうのを集中と思っているうちはダメなのだ。


今年はどうやらパリーグは開幕しないようだが,野球の例を1つ。

プロ野球のピッチャーが集中している。
img1
1アウトでランナー1塁。
得点差は1点。
このバッターは右打ちが得意だが,今は風がレフト方向に吹いている。
見方の守備位置はどうなっていて,ランナーの足が速いか遅いかといった,さまざまなことを頭に入れて「集中」しているのだ。

江夏の21球というのを思い出して欲しい。
あの時の江夏豊は本物の集中をしていたと思う。
(例が古すぎてわからない?)



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