[2015年4月30日]
勉強ができるようになるのは,一朝一夕にはいかない。
塾に来て,急に成績が伸びる生徒がいる。
そういう話を聞くと,自分あるいは自分の子もひょっとしたらその塾で急に成績が上がって志望校に届くかもしれないと思うかもしれない。
ところがどっこい,そんなに簡単に成績は上がらない。
成績が上がらないからといって,塾のせいにして,他の塾に変えるのも手だが,そもそも本人がガンバっても成績が上がるとは限らないのだ。
勉強はスポーツによく似ている。
基礎基本がとても大切。
特に,スポーツでいうところの基礎体力は欠かせない。
それがないと,長時間の練習に耐えられない。
基礎体力が十分にあるのだが,ちゃんと技術や戦術を教わったことのない選手が,ちゃんとしたクラブチームに入ってきたとする。
そういう選手は,メキメキ頭角を現して,すぐに活躍できるかもしれない。
なぜなら,新しく教えてもらったことを習得するまで,繰り返し何度も何度も,長時間にわたって練習して身に着けることができるからだ。
ところが,基礎体力がない選手がいくら練習をしてもたかがしれている。
コーチが,「カクカクシカジカこのように素振りをして身に着けてください」と言ったとしよう。
体力のない選手は,通常の練習が終わるとヘトヘトなので,家に帰って素振りなどしない。
あるいは,やっても100回が関の山。
いや,100回やったら,「俺ってメッチャ素振りしたで。こんなに頑張っているのだから,すぐに上手になるはず」と考えるかもしれない。
基礎体力のある選手は,通常の練習が終わっても,さらにそこから走り込みをやり,家でもコーチの言われたとおりに素振りをする。
1000回くらいはあたりまえ。
そして,1000回でも少ないと思っている。
ただ,睡眠時間も十分にとるのは選手として大切なので1000回で切り上げるのだ。
勉強も全く同じ。
塾に来る前から勝負は決まっている。
要は,それまでにどういう過ごし方をしていたか。
ぐーたらしていただけの生徒は,そんなに簡単に成績は上がらないものなのだ。
勉強ができるようになるには,必ず演習量の確保が必要。
そして,その確保のために最低限必要なのは,中学生や高校生では間違いなく計算力だろう。
これに時間と労力をとられていては,たくさんの演習量はこなせない。
ウチの塾で,数学の計算ばかりやらせる生徒がいる。
べつに数学の成績が上がるからやっているだけではない。
数学の演習時間が短縮できて,他の教科の成績も上がるからだ。
基礎的な計算練習を怠っていては,絶対に難関校に合格できるようにはならないのである。
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