[2015年5月27日]
中学校もたいがいにせーよって感じだが,高校生はもっとひどいかも。
少なくとも,公立中学校の生徒は公立高校の入試に向けて,習っていない内容があっては困るので,ある程度は監視の力がはたらく。
ところが,高校は大学入試を受ける場合もあれば,全く受験とは縁遠く,高卒の単位さえもらえればOKという生徒も多い。
だから,大学受験で必須の内容であっても,単位を認定するのには必要でなかったりする。
一応,文科省の学習指導要領の内容を履修して習得することとなっているが,教員のさじ加減で結構いいかげんなことになっているのだ。
まず,大学受験をあまり考えない高校では,難しい内容を全くやらずにすませる手がある。
たとえば,数学で絶対値の含まれている不等式などは場合分けをするなど,非常に難しい。
高校入学段階で内申が5段階で1とか2の生徒に理解させるのは難しい。
もしも試験で出題したら誰一人できないので,平均点を下げるだけだ。
となれば,一切教えずに,試験にも出さないというのが自然な流れ?だ。
逆に,レベルの高い高校では,カンタンな計算などは自分でやっとけということですます場合がある。
先日,ある生徒が「こんなの習ってません」と言ったのが二重根号。
これは2通り考えられるのだが,本当に先生が飛ばしてしまって習っていない場合と,本人が習ったのを忘れている場合。
先日は,それほどレベルが高いとは思えないM島高校で,なんと英語の5文型を「自分でやっとけ」と言われた事件が発生した。
5文型といえば,高校の文法学習の要となる重要単元であり,それを各自でやっとけとは,何とも生徒がかわいそうなことになっている。
こういうところで,ライバルTの木高校と差がついて,そのうち見向きもされない学校に成り下がるのが心配される。
こういう教員の思惑・さじ加減とは別に,以前に日本中で大問題となったような,カリキュラムに関する未履修問題というのは今でも起こりうる。
いや,結構起こっているはずだ。
特に,私立学校では,基本としては私学の独自性を尊重するので,教育委員会などの外からの監査が非常にゆるいのだ。
以前,とある学校に監査が来るというので,実際の時間割と教育委員会に届けているカリキュラムが異なるのがバレないよう,監査の前日に各教室の時間割を正規カリキュラムのものに貼り代えるということをしていた。
それでも監査が通ってしまうのだ。
教科内での未履修は,どこの学校でもやっていて,世界史Aという看板で入試を見据えて世界史Bをやったり,理科基礎なのに専門理科をやったり,その逆もある。
ひどいのは,教科を超えて,情報科の時間に数学をやったり,総合的学習の時間に教科の授業をしたりしている学校も多いのだ。
こんなのは,一切表に出てこないが,日常的にあちこちでやっているのは間違いない。
では,なぜ表にでないか。
理由は,それをチクったところで誰も得をしないから。
教師はもちろん,それが進学実績をかせぐために有利だと心得ている。
保護者や生徒もそう心得ている。
黙って,学習指導をたくさんしたほうが得なのである。
万一,変にバレて未履修と判定されたら,その授業を受けなおさないといけない。
そういうことが過去の未履修事件のときに発生したのだ。
あの時は,受験直前の高3生が受験科目でもない1年次の未履修科目をやっていた。
だから,生徒や保護者はそんなことになったらたまったものではないので,絶対にバレないようにする。
まあ,そんなこんなで,高校での未履修問題は永遠に不滅であって,それをとやかく言う人は誰もいないというのが現実なのである。(あっ,私が言ってるってか?=そのうち誰かに怒られます)
怒られるついでに書いちゃおうか。
教員免許がないのに指導した場合も当然未履修になるはずだが,それがかなりの確率でもみ消されている。
これも,誰かがバラしたところで,生徒が困るだけだからねー
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