[2015年6月20日]
化学の勉強法は,とにかく本質的な事柄をちゃんと勉強することに尽きる。
化学を単なる暗記科目と思っているうちは,いくら勉強しても点数が取れないという事態に陥る可能性がある。
では,本質的な事柄とは何か。
ちなみにお断りしておくが,非常によく聞く「モルがわかりません」の人には,また別の指導がなされるべきなので,一応モルくらいは平気でクリアできる人の勉強法を書く。
まず,最も重要なのは「電子の在り処」である点をしっかりと認識することだ。
化学はほとんどすべて電子のやりとりの話。
単純に考えてみたらわかる。
原子は陽子と中性子と電子から成る。
どれが一番動きやすいかというと,一番軽い電子なのだ。
そして,化学基礎の最初の方で学ぶ電子配置。
K殻に2個,L殻に8個とかいうあれだ。
これはこれで完璧に習熟しないといけないが,実際にはさらに電子雲の概念を勉強しておくべき。
電子雲の指導は文科省の学習指導要領にはないが,教科書に発展内容として記載されている。
一見,難しい概念のようだが,逆に,そういうことを理解すれば,分子の形や化学反応のしくみが根本から理解ができて,化学が単なる暗記科目でなくなっていく。
化学は3次元立体的な把握が重要だったりする。
それもすべて電子の配置によって決まっていくのである。
このように,実は高校の勉強をしっかりとするためには,少し詳しく学ぶことが有効なのだ。
そういう意味で,化学を勉強する際には,詳しく書いてある参考書が欠かせない。
中でもこの本は受験生のバイブルということで,多くの生徒の理解を助けてきたものだ。
化学を受験科目としている人は持っておくべきだろう。
もう1つ。
化学は身近にあるという点。
古文を身近にするためには,ある程度強い意志を持って,自ら古文の世界に浸りに行かなければならない。
ところが,化学は身近にそのものがあふれている。
だから,学んだことの具体例が目の前にあるので,それを常に関連づけていけば単なる暗記には全くならないのだ。
目の前のビニール袋の感触。
プラスチック消しゴムの感触。
合成繊維でできた衣服の感触。
金属の光沢や肌触り。
この薬は何に効くとか,塗料とか接着剤とか乾燥剤とか・・・
料理なんか,化学の実験をしているのと同じだ。
コーヒーや紅茶を飲むのも抽出作業をしているだけ。
個人的趣味で,鉱物を集めたりなんかして。
岩石学や鉱物学は化学そのもの。
目の前の石ころは化学の内容が詰まっている。
そういう目で日常を過ごした高校生が,受験化学ごときで苦労するはずがないのである。
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