[2015年7月28日]
じゃあ,合格点を取れるように試験の時に振舞えばいいのね?
はいはい,楽勝!
とはならない。
本当に合否を分ける力というのが,その前にあるのだ。
それは,
自分の得点力を把握する力。
そもそも,時間内に解けるかどうかを判断する力がなくてはどうしようもない。
全然間に合わないくせに,本人は間に合うと思っていたりする。
学力の把握も,人によっては絶望的に見誤っている。
よくあるのが,本人は30点の得点能力しかないくせに,本気を出していないからかどうか知らんが,自分は60点くらいの得点力があると思っている。
そして,合格に必要な力が70点くらいだと算段して,あと10点の努力で大丈夫と思っている。
実際は悲しいことに,合格に必要な学力が150点くらいだったりするのが落ち。
自分の学力30点と,必要な学力150点の間に120点もの差があるのだ。
そして,あと10点上げようと努力するのだが,その努力では1点しか上がらないという現実。
かくして,150点が必要なところへ31点の実力を持って参戦することになる。
ちょうど,今,夏期講習で,中学生には理科社会の暗記テストを行っている。
満点取れると思ったら試験を受けて,満点なら合格。
少しでも間違うともう1度覚えなおしだ。
それで,おもしろいことに,1回で合格する生徒と何度もチャレンジしてやっと合格する生徒に分かれるのだ。
これは,記憶力の差ではなく,自分が満点取れるかどうかの判断ができるかどうかの差なのである。
全く同じ記憶力の2人がいて,ひとりは20分で覚えられたと思って試験を受けて,みごとに2問ほど間違う。
それは「おしい」間違いかもしれないが,間違うのである。
一方の人は30分かけて,しっかりできると確信して試験を受ける。
そして,ちゃんと合格する。
不合格になった人は,また見直して,満点取れると思って再チャレンジするが,またもおしい間違いをして3回目の試験を受けることになる。
入試では,その最初の試験で結果が出てしまうのだ。
追試なんてないのだ。
はじめの人は20分で試験を受けるレベルだと勘違い。
そして不合格。
二人目は30分で受けて合格。
現実に置き換えると,3年生になってから勉強して入試を受けて不合格の人と,2年生のときから時間をかけて勉強して合格する人の差みたいなものか。
自分がどのレベルの人間かがわかるかどうかが合格力だ。
そういうことを,満点合格のテストで示唆しているのだが,はたしてそういう考えが身についてくれるかどうか。
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