[2015年8月20日]
今日、某テレビ局から電話がかかってきました。
関西大学第一高等学校の件
毎日の記事によると
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「関西大学第一高校」(大阪府吹田市)の入試で、筆記試験前に中学側との「受験相談」により大半の合格者が内定し、試験で高い点数を取っても不合格とされた生徒が多数いたことが明らかになった。過去の入試では、受験相談の内定者と試験による合格者の最低点の差が120点以上もあった。当の生徒たちは「全く知らなかった」とあきれ、一部の教諭らも「やり過ぎだ」と批判。関係者は「同種の仕組みは全国に広がっており、氷山の一角」と指摘する。
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いつもこのブログで書いているので読者の皆さんはすでに知っていることなのに、世間ではこういうことが知られていないのですね。
そう、こういうのを書くのは世間では私くらいのものですからね。
だから、取材されるのですが。
毎日新聞の論調も、こういうことがあるとは「驚き」で、それが全国に広がっていることも「驚き」ととらえているようです。
今日、電話してきたテレビ局の方も、大阪出身の人ですが、そういう「しくみ」があるとは全く信じられないというようでした。
しかし、実際には、この新聞に書いてあることは、氷山の一角というのが不適切なくらい、大阪の私立高校はほとんどすべてやっていることです。
どうしてそれが明るみに出ないかというと、内部の先生が黙っているからです。
どこの学校も、確実に同様のことをしています。
新聞やテレビの取材は生ぬるいので、ほかの学校のことを調べたりしないでしょう。
調べたとしても、どの学校も「うちはちゃんとやってます」と答えるだけですからね。
どうしてそう断定できるかというと、一部の高校で確実にやっていることを知っていますし、そもそも事前相談があるのは、今回の件のように点数が足りなくても合格させるためのものだからです。
本当にほとんどの私立高校で入試前に「丸」=合格印がついているのです。
私はかねてから、この制度はやめた方がよいと思っています。
この機会に報道各社ががんばってすべての私立高校の事前相談の実態をあばいて、このようなやり方ではなく、本当に正々堂々と入試で合格するシステムになればよいと思っています。
とにかく、世間に「虚偽」の報告をしているのが、法律的にも罪になっていると思うのです。
実際、関大一高のパンフレットに合格最低点が載っています。
合格最低点というのは、合格した生徒の中で、最も低い点数という意味です。
それが、実際に最も低かった生徒とくらべて120点も高い点数が表示されているのです。
まったくのウソを公式に世間に表示しているので、まず法律にふれないはずがありません。
パンフレットの「正義」の字が、大阪ならではの「ボケ」であって、今日の「ツッコミ」を待っていたように見えてしまいますね。
そして、同様のことがほぼすべての私立高校でなされているのです。
実は、ウチの塾では、その事前相談で内定をもらっていない生徒でもどんどん受験させています。そして、「丸」をもらっていないのに、多くの生徒が合格しています。
もちろん、その公表されている合格最低点を越していれば不合格になることはありません。
ちゃんと学力があれば、チャレンジしてもよいのです。
現状の制度では、事前に「丸」をもらっていない高校への受験を中学校の先生は強く拒みます。
そりゃそうです。
中学校の先生の言うことを聞かないと、高校は合格できないと生徒や保護者に思い込ませることで、なんとか中学生の授業が成立するのです。
そもそもの指導力がない先生が、授業を成立させるためには、そういう高校入試というものを人質にしておくしかないのです。
これも私がこの制度に対してよくないと思っている点です。
こういうことを続けているから、大阪の中学生の学力レベルが一向に上がらないのだと思います。
もう1つ指摘しておきましょう。
今回の件は、もちろん関大一高の関係者が大阪府にリークして発覚したものです。
そして、府の私学課が高校を指導したことが明るみになり、記事になりました。
では、その指導とは?
みなさん、これって、私立高校が大阪府という「正義の組織」に大目玉をくらって、もう二度とこのようなことが起こらないように怒られているイメージでしょうか?
ぜんぜん違うんですよ!
こんなもん、大阪府も結託してやっていることなのだから、私学課の人が関大一高にした「指導」は、「おいおい、内部からこんなことバラすようなへたなやり方したらあかんで。その職員には、ちゃんと指導したと言ってだまらしておくから、これからはバレないようにうまいことやりなはれ」という内容の通達があるだけでしょう。
だって、この仕組みがなくなったら、大阪の入試がすべて大混乱しますから。
そして、指導力のない中学校の教師たちが全員発狂します。
めんどくさいことが嫌いなのはどの役所も同じ。
今まで、それで丸く収まっているのだから、現状の事前相談はそのまま変更されることはないでしょう。
よく、学校の先生が不祥事を起こしたとかで、府の教育委員会に言いつけてやるとかいいますが、あれも全くの無駄です。
教育委員会は、学校の味方というか、一心同体です。
学校側からすると、教育委員会に指導されたとういうことで、一応は罰を受けた形が保てます。
しかし、実態は、先ほどと同様に、「もうアホなことしてバレないようにね」という話です。
いいですか、教育委員会は世間のため、生徒保護者のためにあるのではなく、学校の不祥事をそこで「あずかった」という形を取ることで、マスコミや世間を納得させるためのものです。
学校の不正や不祥事をかくすために存在しているのです。
そういった面もマスコミの人にはよく勉強してもらいたいですね。
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