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尾崎塾
富田教室

[2015年9月3日]

豪遊して何が悪い?

どこか関東の学校で校長が豪遊していた件がワイドショーで話題。

まあ,ワイドショー的には面白いのだろうが,教育本来の観点からすると校長が豪遊して何が悪いのだろうか。

学校の経費を使って豪遊していたから?
それは特に法を犯しているわけでもないし,私立の学校であればある程度自由に使ってよいではないか。

教育というのは奥深いもので,世の中の役に立つ人材を育成するのであれば,世の中がどうなっているかよく知っている人にしか本来は教育する資格がないのだと思う。
数学や理科を教えるというのは,そういう観点に立ってこそ値打ちがある。
広く人類の役に立つから教えるのであって,そういう根本がわかっていないと教育などできっこないのである。

そうすれば,学校の長たる人物が世界の一流の場所を訪れて見聞を広め,それを踏まえた教育を構築していくことは全く何も悪いことではなく,むしろ校長は努めてそうするべきなのだ。

今回やり玉にあげられているのは,要するに「ナッツ姫」みたいな面があるので,テレビ的には視聴率がかせげるからだ。
それに加えて,実際のところ先に書いたように崇高な理念に基づいて世の中を視察しているというよりも,単なる遊興という面があったからだろう。
1000万円は使いすぎ?
私立とはいえ,学校には公的な補助金が使われているので,税金の無駄遣いにも通じる。
全くの無駄であれば有権者的には怒ってもいいだろう。
しかし,学校に通う児童生徒を一流の人材に育てるのであれば,一流の場所を校長は見ておくべきなのだ。
ブロードウェイでもディズニーランドでも視察の価値がある。
カジノも一流の人間が通うところでもある。
本気で一流の人材を育てるためには,教育者がそういう場所を知っておくべきなのだ。

どーせ内部の者からのリークである。
その密告者は十分な給料をもらっていない一方,校長が1000万円も遊びに使っていると知って怒っているのだと思われる。
この点も日本の教育において悪しき慣習がある。
つまり,教員は薄給だけれども児童生徒に対して無償の奉仕をするというのが美しいとされてきたのだ。
そして,だからこそ教員に対する尊敬の念もあったのである。
しかし,最近は大阪府の公立高校などが特にひどいのだが,教員の給料をどんどん減らす一方,教員の方もそれではやってられないので,無償の奉仕などほとんどやらなくなってしまった。
必然的に教員は尊敬されなくなり,生徒は教員の言うことを聞かなくなる悪循環。

私立の学校も同じで,教員がある程度の給料をもらっていない学校は,教員のモチベーションも低くなり,今回のように学校自体の評判を貶めるリークをしてしまうことになる。

そういう本来の教育とは関係のないドロドロとしたものがこのワイドショーネタになっていて,さらに学校教育の信頼を失墜させることとなっているのである。


良くも悪くも,私立の学校は校長で決まる。

今回の件の校長は学校にいないことが多かったようだが,大阪の私立高校でもそういう校長はたくさんいる。
名前だけ校長で,名誉職って感じ。
式典の時だけ顔を出す。
個々の生徒に接することはめったになく,へたすると教員の名前も覚えていないだろう。

学校のパンフレットを見ると,見開きの1ページ目に校長が登場する場合が多い。
img1 校長自らが,新しく学校に来てくれる生徒に対する思いを書いていたりする。
一方で,お飾り的な校長の学校も1ページ目に登場して,「威厳」を保とうとしていたりする。
本当に熱心に生徒と向き合っておられる校長とお飾り腰かけ殿様気分の校長をパンフレットで見分けることは難しい。
パンフレットの写真撮影の時だけ生徒とふれあっている校長もいるので,そういう情報は実際に通っている生徒・保護者に聞くしかないようだ。
そういう意味でも,いつも書いているが,オープンスクールなどのイベント時以外の普段の日に学校を訪問するのがよい。
校長先生に一目お会いしたいと申し出て,丁重に断られるようなら受験をやめといた方が無難かも。

校長が3年以内にコロコロ変わっている学校は方針もコロコロ変わる。
ちゃんと一貫した指導ができるはずがない。
これはプロ野球の監督にも言えることだ。

とある学校の1ページ目の校長先生のページに,そのコロコロ変わってた監督が載っているのが面白い。
img2
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