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尾崎塾
富田教室

[2015年9月5日]

趣味と職業と進路

自分の好きなコト,趣味を職業にしたいと考え,その職業に就くのに良さそうな進路を考える生徒も多い。

だが,ほとんどの場合,うまくいかない。

まず,趣味と職業をごっちゃにする発想がそもそも幼稚なのだ。

職業にするにはよほどの覚悟と才能がないとダメだったりする。

次に,その職業に就くための進路が短絡的にしか考えられない幼稚な思考の生徒が多いのだ。

たとえば,カメラマンになりたいので写真学科のある大学へ行くとか。

いや,たしかに,医者になりたかったら医学部のある大学に行くしかないし,弁護士になりたかったら法学部だろう。
しかし,教員になりたいのなら教育学部でなくてもよいし,銀行員になるのに経済学部である必要もない。
自動車の会社に入るのに工学部である必要もないし,通訳になるのに外国語学部でなくともよい。

そういうことを知らずに,自分のやりたいこと→職業→大学の学部という短絡思考の頭の悪い生徒がうまくその進路どおりの学部にいけたとしても,その職業に就くことが非常に難しいといえる。
なぜなら,短絡思考の人間はどの職業にも向いていないから。


さだまさしの曲に「極光」というのがあって,ようするにオーロラに魅せられた男が会社を辞めてカメラマンになってオーロラの写真を撮るという話。(結末はたいへん悲しい話だが・・・)
img1
カメラマンになりたかったら,その対象物(被写体)が誰よりも好きなら誰でもなれるのだ。
img2

しかし,自分の好きなことを仕事にしようと思うのはわかるが,それはかなりレベルの高い人にだけ許されることだと心得ないといけない。
誰よりも好きなら誰でもと書いたが,逆に言うと誰よりも好き=世界一好きというレベルでないと無理ってこと。

この仕事をしていて非常に多い例で閉口するのだが,
「英語を生かした仕事をしたいです」という生徒。
多くの場合,その生かすべき英語がそもそもレベルが低いんですけど・・・

生徒諸君には,もう一度自分の進路をよーく考えていただきたい。
趣味をやりたいのなら,その趣味ができるようにしっかりとした仕事に就くことだ。
テニスがしたければ,プロを目指すのではなく,日曜日にテニスサークルでテニスをすればいい。
時々大会に出るようにすれば楽しい。
そのためには,テニス用具を買って,サークル活動の費用や大会に出る費用を出せる程度には給料をもらわないといけない。
そして,休日もしっかりともらえる仕事に就けばいいのだ。

趣味をやるために,そのお金と時間を確保できるような職業に就けばいいのだ。

そして,趣味を仕事にしてしまうと,その趣味自体が楽しくなくなってしまう可能性がある。
そういうことも考えると,やはり自分が好きな趣味と将来の職業は分けて考えるのがよいし,それが普通の生き方だと思われる。

くれぐれも,短絡的に大学の学部学科を選んで,「こんなはずじゃなかった」と後悔せぬようにしたいものだ。



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