[2015年9月9日]
私立の学校を中心に「進学実績」を「売り」にした特進コースなるものが存在する。
はたして,その内容が売られている価格に見合ったものかどうか,はなはだ疑わしい例もある。
ちゃんとした「売り」=「魅力」を「販売」して欲しいものだ。
さて,売れる「品物」がちゃんと取り揃えてあるか,パンフレットだけではわかりにくい場合がある。
その見分け方を考えてみよう。
特進というからには,「進学実績」が「売り」という場合が多い。
この内容が素人である保護者・生徒からは見えないのである。
要するに,成績の最初から良い生徒を集めて,そいつらが勝手に勉強して合格してくれても合格だし,そんなにレベルが高くない生徒が学校のシステムによって学力をグングン伸ばして合格しても同じ合格だ。
その実態を知っているのは,当の学校の教員と,実はその生徒を送り出した学校の先生や塾の先生たちだ。
優秀な生徒がそのまま難関大学に入っても少しも驚かないが,そうでもない生徒が難関大に合格したとなれば,びっくりするではないか。
逆もあって,優秀な生徒を行かせたのに,難関大に進学できなかったと聞けば,どんな指導をしていたのかあやしくなる。
つまり,実際にその学校の指導が良くてその進学実績が生まれたのかどうか,外部の人には一切わからないのだ。
では,中学校の先生にその内実を聞けばよいと思うかもしれない。
ところがそうはカンタンではない。
中学の先生も若い先生はまずそういう感覚がない。
ベテランの先生はどの私学がちゃんとやってるか知っているが,それを保護者に伝えるとは思えない。
たとえば,学校的に優秀者から関倉,追手門,大阪青凌,金光大阪・・・と順序を決めていて,そこがどのような教育をしていようといまいと,関係がないのだ。
というか,そこに指導内容など加味しだすとキリがなく,ようするに面倒なのでいちいちその学校の良し悪しを考えて指導したくない。
ベテランの先生ほど,そういう傾向が強いので,親身になった進路指導など期待できないのである。
では,塾の先生に聞けばいい?
これも相当に難しい。
エルメスをもらっているかどうかは知らないが,いろいろと入試担当者と仲良くしていたり・・・
これは,公立中学でも充分にあり得るが,成績優秀な生徒を受験させるかわりに,この成績の悪い生徒を合格させるという「抱き合わせ」があったりする。
うまく,その高校に入れてもらえたらラッキーで,そこの指導がイマイチであっても,生徒保護者には「良い高校に入れてあげた」と言いたいので,商売上,学校を悪く言うなどできっこないのだ。
そういうわけで,生徒が受験する,あるいは在籍している学校の悪い点を指摘するウチの塾のような塾はまずないと言ってよい。
しかし,悪い点を指摘してあげないと,生徒が集まることに胡坐をかいているので,一向に良くなる気配がないので書いている。
人生が高校で決まるわけではないが,大きく左右することは確実。
名ばかりの特進コースに行っても意味がない。
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