[2015年9月11日]
特進コースの進学実績がいくらすごくても,次に入学する生徒に対して何の保障にもならない。
京大に10名合格している特進コースに自分,あるいは自分の子供が入ったとしても,京大に合格できる可能性は全くその10名と関係ない。
「でも,10名合格している特進と,一人も合格していない特進とでは,前者の方が可能性あるでしょ?」
と思うだろうが,そんなことは全くない。
特進コースの生徒でも,入学時点の学力というものがあり,もともとできる生徒が京大に合格しただけで,入学時点でそのレベルになかった生徒がその10名の中に一人もいないのが普通だ。
高校で学力はなかなか伸びない。
実際のところ,そうやって京大に合格する生徒は,全員が特待生だったりする。
特待生は,あまり知られていないが,一定の学力水準がある生徒に対して,高校側が入学前に確約していたりする。
「君の成績なら,合格の確約だけでなく,授業料を免除します。」
聞くと,その特待生で合格した先輩たちはかなりの確率で京大に入っているとすれば,
無料で授業が受けられて京大に行けるのだから悪い話ではない。
大阪府では私立高校の生徒に対して授業料補助の制度があって,無料というだけでは生徒が集まらなかったりする。
その場合は,授業料とは別に,諸経費などにかかる費用を補助するという特待生制度もある。
とにかく,成績優秀な生徒を「お金」を使って集め,その生徒たちに進学実績をかせいでもらうのが私立高校の常套手段なのだ。
そして,そういう特待をもらえない生徒や保護者が進学実績を見て,自分のところもそういう大学に入れるかもしれないと「勘違い」してくれるので,私立高校は特待生がちゃんと難関大学に入れるように特に力を入れて指導するということになる。
したがって,中3の段階で特待生レベルでないのなら,特待でない生徒を伸ばしている学校を見つけないといけない。
これについては,なかなか学校側は公表しない。
現役合格を売りにしている高校は実績を現浪別に表示してあったりする。
一貫校では内部進学者と別に表示している場合もある。
特待生の実績は表には出てこないのがふつうだ。
だから,進学の個別相談会などで入試担当の先生に直接聞いてみればよい。
もしも,特待生ばかりが難関大に合格しているのなら,担当の先生は言葉を濁すだろう。
逆に,特待生でない生徒が学力を伸ばしているのなら,それは「売り」になるのだから,ちゃんと実際に伸びた例を教えてくれるだろう。
ちなみに,特待をもらえるかどうかは中3の成績。
学校の成績(5段階の評定と実力テストの総点や校内順位)や業者の摸試(五ツ木やVもし)である。
どれか1つでもクリアしていたらよい場合や,複数クリアしているなどいろいろ。
それと,専願者のみ特待を与える場合と併願もOKの場合がある。
今年からまた大阪府の公立高校入試が大きく変わる。
公立志望であっても,併願で私立の特待生をもらっておくのは悪い選択肢ではないだろう。
にほんブログ村
にほんブログ村