[2015年10月1日]
センター試験が「かんたん」だという誤解がどこから発生したのか?
はっきり申し上げて,よくできる生徒からするとセンター試験の問題は「かんたん」だ。
難問奇問ではなく,非常によく練られており,実力があれば確実に正答できる出題が多い。
ところが,普通の高校生にとっては,むしろ取って付けたような学力では全く歯が立たない良問ぞろいだから,得点するのが非常に難しいということになる。
考えてもみたまえ。
センター試験の受験者は毎年50万人くらい。
一方で,18歳人口というのは120万人くらいだ。
試験を受ける母集団が高校生の上位半分というイメージ。
当然,高校のランクで真ん中くらいの学校,北摂では芥川とか高槻北高校あたりの生徒が受験者の最底辺層となる。
そして,センター試験のつくり方だが,受験者の平均点が6割程度になるようにとされているのだ。
どう考えても,最底辺層の芥川や高槻北高校の生徒が平均点の6割を取るのは非常に難しいではないか。
春日丘,千里,茨木,北野高校などの公立高校上位層や,灘とか東大寺学園のようにもともとはるかに学力が高い生徒も含めての平均が6割程度になる試験が「かんたん」であるはずがないのだ。
まあ,春日丘や千里高校の生徒であれば,平均点の6割程度はクリアできる可能性が高いが,実際のところ6割程度でボーダーにかかる国公立大学は少ない。
比較的入りやすいと勘違いされている大阪府立大,大阪市立大などでも最低7割は欲しいところだ。
その7割がなかなか取れないのがセンター試験なのである。
センター試験が「かんたん」であるという誤解を増長している原因は,もしかするとコレかも?
↓
レベル別問題集。
このレベル設定があろうことか,こうなっているのだ。
?基礎レベル
?センター試験レベル
?私大標準レベル
?私大上位レベル
?私大最難関・国公立大レベル
センター試験が私大標準レベルよりも基礎的な位置づけになっている?
私大標準=産近甲龍,私大上位=関関同立とすれば,世間の人がなめてかかるのもうなづける。
センター試験の問題は「基礎的な演習の題材として好適」なものが多いだけであって,制限時間内に7割とか8割正解しなければならない得点を取るための試験という意味では非常に難しい試験なのである。
実際には,私大上位よりもはるかに高いレベルの学力がないと太刀打ちできないのである。
来春のセンター試験でも「センター試験,失敗した」とほざく受験生が多発すること必至だが,センター試験を失敗する奴などほとんどいない。
センター試験がしっかりと各自の実力を測ってくれているだけなのである。
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